何もなくなった時
何か始めれば思いもしないような
優しい出来事が起こるものです
神様は優しいだとか
ツンデレだとかわからないけど
晴れたり雨降ったりしてる空も
きっと悲しいこともあるのかもね
見つけたらすぐに失って
笑ったらすぐに巻き戻し
なかなか前に進めないけど
明日はやってきてはきみを前に押すの
心配せず朝を迎えよう
またきらきらな星を見て
汚い私を照らしてる
眠れない間もきみとわたしは
こうして夜を繋いでいく
僕の気持ちに気付いた時にはもう遅い。
大人なんて、もう頼らない。だって。
僕が何を言っても話してる事じゃなくて、
勝ち負けの事になるし僕が何を言っても
聞いてくれない。僕の考えた事なんて無駄な事
だってただのゴミだって!そう思ってるんだ。
僕は大人なんて利用してやる!いちいち罵声を
出して言い合うなんて面倒だ…。勝手にやってろ。話す時は素直で従順な振りをしておけば良い。
どうせ大人なんて何言っても聴かないんだし。
自分が自立出来る様になるまでの付き合い。
後はもういらない。
言葉には二つある。一つ目はそのままの
ストレートな言葉。二つ目。それは潜在的に
語りかける。暗号の様なテレパシーを使って
話す言葉。君の言葉はどっち?
ここは世界の一番下
何をしても僕の行く手を阻んでくる
四方八方囲まれてる
出れない。
助けてなんて叫んでも誰も助けに来てくれない
壁なんて殴れるわけない
返り討ちになってしまう
もう上に登るしかない
ここはカーストの世界だ
「…ていうか、何で報酬に”俺”を要求した?」
”使い魔”からの質問に、少女はぴた、と足を止める。
「やっぱり有名な魔術師の”最高傑作”だから? それとも…」
「別に、お前なんか欲しくなかったけど?」
想像の斜め上の発言に、…はぁ⁈と”使い魔”は叫んだ。
「大体、私に何か依頼してくる魔術師はねぇ、単純に自分の手元では手に負えない面倒ごとを、今話題の”緋い魔女”に解決してもらおうって考えてるのよ。魔術の世界で”神童”だの”魔女”だのって呼ばれてる魔術師が、自分の元に来るだけで立派な自慢にもなるし」
少女はくるりと振り向く。
「この間も1つ依頼を引き受けたのにまた依頼。しかも今度は面倒くさそうな精霊退治。だから、依頼を引き受ける代わりに報酬で、そこに”置いてあるだけ”になっている使い魔が欲しいって言ったら、依頼のこと考え直してくれるかしらって思っただけなんだけどね」
「でも実際、あの男はお前に退治を依頼したじゃねぇか」
”使い魔”は真顔で言う。
少女は、そうねぇ、と呟いてさらに続けた。
「…でも、少し気になっていたのよ。遠い昔、”孤高の天才”と謳われた魔術師の”最高傑作”がどんなものなのか。だから別に、お試しでも”マスター”やっても良いって思ってたわ」
…ふぅん、と”使い魔”は返す。
「まぁ、お前を報酬にしてもしなくても、あの依頼を受けるならお前を借りるつもりでいたわよ…その逆さ十字の耳飾りを見た時から」
少女はそう言ってにやりと笑った。
”使い魔”は、あのクソ野郎…と腹立たしげにつぶやいた。
その様子を見て少女はクスクスと笑う。
「造った人のことをそんなにひどく言う使い魔なんて初めて見たわ…まぁあんな悪趣味な名前を付けられたらねぇ」
その言葉を聞いた”使い魔”は少女を強めに睨みつけた。