なんでそんなに嬉しそうなの
チョコもらったってにこにこするの
あの子にもらったチョコレートを
喜んでながめてる君に
あげようと思った甘い甘いチョコレートは
心の奥でぐしゃりとなったこの気持ちは
伝えちゃいけないと知ってる
でも今日だけは素直になってもいいかな
ねえ
私じゃダメですか?
願いごとを小さな紙に書き留めて
甘い香りがする焼き上がりに挟んで
たまには変わったクッキーをどうぞ。
「よっしゃ来たぜバレンタイン!」
「聖バレンティヌス様の命日!」
「弔いの儀式だ!」
「野郎ども!線香の用意は良いか!」
「宗派が合わないんじゃあないかな!」
「宗派どころかまず宗教から違うぜ!」
「取り敢えず十字架持たせときゃ良いんだよ!」
「ところで皆ポッキー食べる?」
「「「そりゃもちろん!」」」
試作も味の確認もせずに包装して、
君に渡した手作りお菓子
味の保証はできないよ、って言ったのに
あなたの作った手料理で
おいしくなかった料理ないから大丈夫、
なんて答えて、手作りお菓子を齧った君は
満面の笑みで「美味しい」とこぼした
そんな君を見ていたら、
整えた割に歪な姿のお菓子や不器用な包装なんて
忘れてしまいそうになる
どこもおかしくもないのに
力が抜けてく もう立てない
ねぇねぇ ボク頑張ったでしょ?
すごく頑張ったよ
自分が生きてていいのか分からずに来たけど
キミとここで出会ってさ 毎日が更に楽しくなった
最後に出会った人がキミで本当に良かったよ
キミと出会ったこの世界で精一杯生きて
この長い時間を終えられることを嬉しく思ってる
・・・・
・・・・
「ありがとう」
・・・・
2月の雨はネズミ色
静かなバス停を
乾いた心に滲みる朝は
新品のチェックの傘だけが
ささやかな慰めね
2月の空はココア色
泣いている街を
目の前を過ぎ去る車が
残してゆく無機質な音は
せめてもの紛らせね
だれか僕の靴箱に
優しさを置いてくれたら
この気持はどこまでも
晴れる気がする…
2月の君はカカオ色
泣いている僕を
一人残して云ったのは
今日の日が来るからなの
いちばん苦い日ね
だれか僕の靴箱に
優しさを置いてくれたら
この気持はどこまでも
晴れる気がする…
たった一欠片で甘い甘い天国に行けるチョコレイト、そこのお兄さん、おひとつ如何…?
見えない糸みたいな繋がり
欲しがってる 絡まってる
広い世界なのにどこかで
混み合ってる 押し合ってる
洒落たリボンの包みが目の前で行き交っていて
「甘そうだな」って不覚にも見つめてしまった
何も貰えなかった貴方に
ショコラ色の贈り物を
「期待し過ぎだぜ」なんて言って
今夜は笑い飛ばしましょう
募らせていた想いが
散らかってく 散らばってく
イベント不慣れなこの心が
縮まってく 強張ってく
後ろ手に不器用でささやかな気持ち
一番言いたいことだけ まだ喉に引っかかってて
何もあげられなかった貴方に
ショコラ色の贈り物を
「片思いはまだまだこれから」って
今夜は胸に誓いましょう
いつかの司祭も牢獄で
幸せを願って笑っていたらいいな
世界が見下ろせそうな屋上の
金網によじ登って今から
ありったけの思いを バラまいてみせるよ
どうか届くように
全世界の愛ある貴方に ショコラ色の贈り物を
幸せ者だと笑えるように
今夜はここで終わりましょう
「受験生にはバレンタインなどない。」
「それな。」
「え~、もう受験終わったしチョコ作るからあげるな~♡」
「私も作ろかな~。受験終わるとすることなくて笑」
まだ決まってない組ともう決まった組。
「男子もチョコをあげればいいのに」
ぽつんと彼女が呟いた
周りの男子は顔を上げた
「ホワイトデイでいいじゃん?」と訝しげな私に
彼女は少し上を向いて
「バレンタインに貰えない
男子が苦しまないでしょう?」って
得意そうにニヤッとした
周りの男子が一斉に
「そうだ」と嬉しそうに言った