風にのってあなたを撮りたい。
いくつ眼があれば足りるのだろうね、
何もかも忘れたくなくて
全ての瞳から涙を流す、あなたを
少しも切り取りたくなんかないのに。
久しぶりなのに君がいて
久しぶりなのに君もいた
そこにいるだけで十分なんて、聞いても安心できないから、言うならもっともなことを言えと、
いつまでも反抗期な私と
朝まで同じこと考えてれば
徹夜できるのかなんて
君はどれくらい馬鹿なのかしら
朝が来るまで横にいて。
そうすればいい夢見れそうなの
そうすればいい未来も消えるさ
春の匂いが温かく包み込む季節になると君はつぶやく。
“春の季節が来たのね”と。
春の風に髪をなびかせ少し寂しそうに笑う。
君の横顔は“別れの季節ね”と言いたいようだった。
いつも綺麗な君の横顔は今日も綺麗だが、
桜が舞うたびに哀しそうな顔になる。
春の匂いがすると君が哀しそうな顔をするから、
この季節は嫌いだ。
それに今年は
僕も別れをつげなければいけない。
君も僕と同じ人に別れをつげるから、
いつもより寂しそうな顔なんだろうな。
君は言った。
“じゃあ行こうか。あの人のところへ。”
僕はこれから、あの人にさよならを伝えに行くんだ。
爪先を穿つ雨雫
泣きたくなるような石畳と雨の匂い
雑踏で名前を呼ばれたような気がして
振り向いてしまうような
ほんの刹那夢を見せてあげる
楽しい夢でもとびっきりの悪夢でも
ほんの刹那夢を見せてあげる
この上なく安っぽいその夢を
雨に打たれて燃え尽きて
灰も残らず左様なら
次には忘れてしまえるほどの
ほんの刹那夢を見せてあげる