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かっこよく

かっこよく生きたかった あのヒーローみたいに
だから勉強も頑張った トレーニングもやり続けた

ただかっこよく生きたかっただけなのに
いつからか憧れが無駄なプライドに変わっていった

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齟齬

明日も明後日も
全部今日の持ち物で
関係ないとかそんなことどうでもよくて

あー やっと言えるんだ
ずっと言えずに ずっと言わずに
溜め込んで溜め込んで 飲み込んでいたことを
僕の本音はいつも下等生物で
自分にすら噛み殺される意志の弱さに
指先が震えたまま掴みきれない

されるがままの方が逆に楽なのか
問いかけた先のあいつは口を閉ざして
意味もなく僕を殴り続けて
もうそれでもいいやと
血だらけの言葉に魂を宿して

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ひたむき

この学校でだれがかっこいいと思う?
わからない。

恋人はつくらないの?
いらない。

彼じゃないとだめなの?
そう。

恋人がいるかもしれないのに?
信じたくない。

どうせ叶わないよ?
わかってる。

どうしてそこまで。
それでもあのひとが好きなの。

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放課後

窓から外を眺めていたら

視界に君が入ってきて

君もこっちを見て

二人で微笑んだ


あの時間が

今となってはたまらなく恋しい

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僕と君

美味しそうにご飯を食べて
気持ちよさそうに昼寝をしている
僕はいつの間にか君に触れようとしてる
でも触れる事はできない
君をこの両手で抱きしめたい
でも抱きしめる事はできない
だって噛まれるのが怖いから
猫好きな僕と猫の君

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瞳 BAKI BAKI

キーボードの隙間にこぼれた隕石のことを考えて眠れない夜

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プールサイド・ユー

校庭で産まれたつむじ風が
袖まくった産毛を逆なでる

25m向こうの君に
聞こえるか聞こえないか

無意識に見上げた太陽が
眩しくてくしゃみを誘発した

25m向こうに君は
居るのか居ないのか

どろどろの緑が底なしで
浮かぶテニスボールと白昼夢

25m向こうの季節に
会える日をずっと待っている

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おくすりのめたね

今日も僕は
痛くて
苦しくて
不安で
眠れない

だから今日も
瓶いっぱいのおくすりを
水道水で流し込む
黒色の眠気が流れ込む

どうか今度こそ
目が覚めませんように。

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独り言

あっちこっち走り回れるほど僕には体力は無いからね

自由を守るだけで必死なのさ

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ペペロンチーノ

出会っちゃいましたね
もさっとした日常に散らした
鷹の爪みたいな、一目惚れ

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正義の狂信者

こんな言葉を残した人物がいた

「正義は麻薬だ」

正義感という感情は人を狂わすのが最も容易い感情なのだという
遥か昔は狭い世界でしか生きられなかった者たちが技術の進歩共にいくつもの境界線を容易く飛び越えることが出来るようになった
そして生まれてしまった
以前までは知り合いの誰かから知り合いの誰かへだったものは
知らない誰か達から知らない誰かへ
技術の進化がその者たちを退化させた
それが今の我々の世界である
日々流れる涙は
知らない誰かの涙
それはある日突然で前触れなくやってくる
狂信者達による非信者の排除行動に泣く者達
日々聞こえる罵声は知らない誰か達
「正義」という名の宗教団体みたいなもの
全員が全員狂信者なんてタチの悪い集団だ
進化を望み進化を成したが故に
我々は多くを失った
失ってはならなかった何かを沢山

進化の後は滅びを待つだけ

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『偽善とは』

 僕が育ったのは、自然が綺麗なところだった。近くには川があり、晴れた日には光が反射して、川辺に咲く花や木々はそれを見て眩しそうに、そして嬉しそうに風に撫でられていた。近くに寄ると透き通って見えたその川には、たまに魚やカニなんかが顔をのぞかせていて、僕を天敵と見なすとすばやく陰に隠れ、そして見えなくなる。かくれんぼはいつも彼らの方が上手だった。鳥が歌う声もよく聴くから、綺麗であるここは彼らにとって危なくもあるのかもしれない。そんな穏やかでいて危ういこの場所が僕は好きだったし、みんなここにいれば幸せだと思っていた。今、このビルの立ち並んだ光景に窮屈さを感じざるを得なかったし、僕の中の何かが枯渇していたから。
 いわゆる都会という町に出てきて、僕はまるで砂漠に打ち捨てられた草食動物のように、緑を求めた。しかし、求めた先に現れたのは光を弾いて輝く川なんていう宝石箱ではなく、何色とも形容し難い大量の水の塊だった。これを人々は海と呼ぶのだろうか。
 覗いても、濁った色しか見えない。工場も近くにあるし、良くないものがたくさん流されているのだろうと悟った。小さくため息をつき、元来た道へ足を返す。そこで、小さく躓いた。僕を躓かせたその石の陰からは、カニが姿を現した。人的排水によって、ここまで住処を汚されているなんて。僕が1番最初に抱いたのは、かわいそうだとういう感情である。このカニは、綺麗な水を知らない。自分に害のある物質が住処を侵しているかもしれないのに。それも、人間という極めて恣意的な原因に。
 その時、このカニだけでも綺麗な場所で生きてほしいと思った。もう少し進んだ場所に、川が海に合流する、比較的綺麗な場所がある。そこに、逃がしてあげよう。
 そう思ってからは速かった。着くと、やはり先の海よりは断然綺麗でいて、僕はほっとしたのだ。やっと綺麗な場所で生きていけるね。そう声をかけてカニを放した。
 僕が害を加えようとしていたと思っていたのだろうそのカニは、放されると一目散に僕から離れた。長生きしろよ、と海へ入ったのを見届けて、身を翻した。多少だけど、海が綺麗だったから最後まで姿が見えたな。可愛かった。

 そう微笑む僕の頭上から、腹を空かせていたであろう鳥が、海めがけて降り立ったことを、僕は、知るべきだった。

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空が青くて、青くて。
これからもっと青くなるんだろうな。
これからもっと明るくなるんだろうな。
私の心とは対照的に。

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よるになって

月が咲いて
星が降れば
あなたに出会えますか?

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そよそよ

風に揺れる葉っぱは不安定

私の心みたいだと思った

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レンズ

日の目を見ないきみの

まる眼鏡越しに見えるその瞳は

太陽だった。

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貴女のすべてを

貴女の涙で濡れた袖
私を信じて泣いた貴女をみて
もっと貴女を好きになった
そっと抱きしめながら
貴女の額に
そっとキスをする
いつのまにか袖の涙は乾いていた

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雨の季節になったらさ
連絡先も
この景色も
見苦しいこのあいの詩も
まるごとぜんぶナイフで削いで
できればなかったことに、だなんて

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今日

久しぶりの学校は

みんな変わっていなくて

なんか嬉しかった

蒸し暑い教室も

苦手なあの子に話しかけられたことも

今まで嫌だったことが

なんだかぬくい

「あたりまえの日々って

 なんて素敵なんだろう」

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ぱちん

ぱちんと叩きつぶして
縞模様だけが残った
半そでの先で、まだ白い腕

夏がくるには、まだ早すぎて
春がゆくには、もう遅すぎた
子供たちの、声は遠く
大人たちの、影も遠く
行き交う自動車だけが
いつも通り苛ついてゆく

そうは云っても、腹は減るし
明日になったら背は伸びるし
生きているよ、ぼくら今日も
生きてきたよ、知らない街で

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勘違いの片想い

目と目が合ったとき
君が微笑んだ

手と手が重なったとき
君はその手を動かさなかった

困っているとき
「どうしたの」と助けてくれた

泳げない私のことを
「可愛い」と言った

君の優しさは
友達としての優しさだった

私の恋は
片想いだった

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不甲斐なくてごめん

何十回、口づけても
何十回、抱きしめても
掴めない。
何百回、君のすべてを
何百回、理解したつもりでも
見えない。
やっぱりどっか胸の中に不安が残ってる
この心を埋め尽くしてよ

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君へ送るこの歌

遥か遠く離れた君の街まで届けと願う

どこかのラブソングみたいな

ありきたりな歌詞だけど

たいして歌も上手くないけど

君に届けたい

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まともな恋もできない私を
与えられた愛を吐き出す私を
君は惨めというんだね

愛してるだけが絶対正義
どうやら私は囚われたらしい
君の正義は世界共通
笑っちゃうよねばかみたい

これは不完全なうた
日付の隙間、まっくらやみ夜に溺れた
これは私のあいのうた
感情の狭間、すっからかん朝に埋もれた

ぜんぶ治らない噛み癖のせいにして
この景色からするり抜け落ちる夢を見たい