ぱちんと叩きつぶして
縞模様だけが残った
半そでの先で、まだ白い腕
夏がくるには、まだ早すぎて
春がゆくには、もう遅すぎた
子供たちの、声は遠く
大人たちの、影も遠く
行き交う自動車だけが
いつも通り苛ついてゆく
そうは云っても、腹は減るし
明日になったら背は伸びるし
生きているよ、ぼくら今日も
生きてきたよ、知らない街で
目と目が合ったとき
君が微笑んだ
手と手が重なったとき
君はその手を動かさなかった
困っているとき
「どうしたの」と助けてくれた
泳げない私のことを
「可愛い」と言った
君の優しさは
友達としての優しさだった
私の恋は
片想いだった
何十回、口づけても
何十回、抱きしめても
掴めない。
何百回、君のすべてを
何百回、理解したつもりでも
見えない。
やっぱりどっか胸の中に不安が残ってる
この心を埋め尽くしてよ
まともな恋もできない私を
与えられた愛を吐き出す私を
君は惨めというんだね
愛してるだけが絶対正義
どうやら私は囚われたらしい
君の正義は世界共通
笑っちゃうよねばかみたい
これは不完全なうた
日付の隙間、まっくらやみ夜に溺れた
これは私のあいのうた
感情の狭間、すっからかん朝に埋もれた
ぜんぶ治らない噛み癖のせいにして
この景色からするり抜け落ちる夢を見たい