音が聞こえる
雨が地面を叩くような
悲鳴を合わせ音量を絞ったような
不気味な感覚が走る
手のような物が全身を探るようにゆっくりと静かに纏わり付く
血の気が引くのが分かった
何かを探している手付きだ
間違いない 捜し物をしているようだ
何となく分かった気がした
それは刹那だったはずだ
なのに今まで感じた時間の中で1番長く濃い気がした
ゆっくりゆっくり じわりじわり
その手はお目当ての物へと近づく
感覚的には長い
けれど思考を始めた瞬間その時間は刹那になる
決定された未来に時計の針は進んでいく
そして...
・・・・・・・・・
手は辿り着いた
しっかりと両手が握り締めていた
まるで無くしたと思っていた大事な大事な
おもちゃを発見した瞬間の子供のようなに
姿すら知らないあなたは握り締めていた
「あぁ.....」
残された言葉はなかったらしい
電池は既に切れていた
君と話したいなぁ...
君と話せないだけで
こんなにさみしいんだね
私が勘違いさせちゃったせいで
君と話せない...
ごめんね
君の心が私には見えない
なんにもなんにもわからない
怒ってるか泣いてるか
たったそれだけもわからない
帰り道の公園で見かけたあのカップルみたいに
近くにいられたとしても
きっと君のことはわからない
こんなことは
ろんがい級のことなのだろう
なんでみんなマスクを
はずさないのか
いいや、外せないのだ。
やばい最低なやつのせいで。
あなたは言った
ゆめくらげ いるよ
あなたはきえた
ぼくのまえ からね
あのとき 幻想か?
あれは 本当か?
本当ならば ホントなら.....
あなたは笑った
ゆめくらげ いるよ
あなたはいない
ぼくのまえ には
そんなキミから きいたコト
ゆらゆらゆれる ゆめくらげ
物語ははじまる ゆっくりと
雲のわたがしを食べて
雨のキャンディをほっぺたで転がす
おひさまの光を宝石のネックレスにして
月の光をふんわりとしたスカーフに飾る
今日も、雲の上のふかふかベッドでおやすみ
君が好きになった
かなわないってわかってた
だけど好きになった
初めてこんなに長く
好きになった
何しても笑ってくれて
ホワイトデーも「ありがとう」っていてくれたのに
その「ありがとう」は
嘘だった
クラスはなれて
男友達に
バレンタインとか
ホワイトデーとか
めんどくさいって
その「ありがとう」が嘘だった
つらい
君の気持ちが
わからない
君が怖い
でも、直接言わないでくれてありがとう
私を傷つけないでくれてありがとう
そのやさしさに
感謝する
そんな優しいところ
好きでした
去年君に淡い思いを抱いて
クラス替えして
君は私の目の前の壁の向こう側にいる
廊下を通るたびにちらちらと
私は君の笑顔をのぞく
君は汗ばんできても
長袖の服を着ている
いつも笑っていて
そのたびに私は目を伏せてしまう
どうか、どうか、、
その笑っている瞳が
私を捕まえてくれますように。