「うーん、それだけなら望みとしては薄いなぁ...具体的には何と」
こいつ、察しが悪いな
「あの亡霊とだ」
「は?えっ今なんと」
「あの亡霊を狩りたい」
「ちょいちょい、願いはこの一回だけだよ?それでもいいの?」
「くどい!確かに願いは言ったぞ、早くそのマジックアイテムとかいうのをよこせ!」
「なっ...!まぁキミがそれでいいのならいいのだけど」
賢者が何かを唱えると指輪が右の中指に現れた
「これがそのアイテムか」
「強く念じて変身するといい。ヤツらもそれで覚醒を悟り、敵対する」
言われた通りに「変身」と念じてみる。
そしてそこに立っていたのは
「おい賢者、これは魔法少女って風貌じゃないよな。どちらかといえば死神の方がしっくり来るぞ」
黒いローブを纏い、大鎌を携えた桜がそこにいた
「望みがあれだからねぇ...まぁそうなるよね...さっ、来るよ!」
覚醒を察したファントムが凄まじい形相で突進してくる。
が、それをひらりとかわした上で腹に刃を突き立てる。
「...」
そのまま反対側に力一杯叩きつけた。ファントムは痛がる動作こそしたが直後に沈黙した。
なるほど、これはいい...癖になりそうだ
「なかなかセンスもいいようだね」
かくして、大賢者の生み出した魔法使いの中で最も危険な魔法少女が誕生した。
やけに月明かりが強い夜だった。
やはり血というものはいい、生きてる実感が湧く。
とりあえず、「これ」を処理しなくてはな...選定に不備はないはずだが見つかるのは厄介だ...
そんなことを考えていた時だ、大賢者とかいうヤツが現れたのは
「ほう、面白い話だ」
「だからどうだい?朧木 桜(オボロギ サクラ)ちゃん、キミの望みを言ってみなさい?」
はて、私は名前なんて言ったか?それにしても自分の名など久々に聞いたな
「まずは真偽だ...そのファントムというのはどこにいる」
「ありゃ、珍しいねぇそっちを聞くの?まぁいいか、ヤツなら...」
大賢者が指差したのはさっき己の浴びた血の海だった。
「...どこだ」
「そうだった、普通の人には見えないんだった!...それならためしにこれを握りしめてみて」
拳大の石が手渡された。そうしてさっきのところに目線を戻す。
「あれは遊撃手ってところかな?キミが覚醒するのを待っている」
「...なるほど、亡霊(ファントム)というだけのことはある...」
そこにいたのは翼の生えた人型の怪物だった
「ならばいいだろう、お前を信用することにする...して一つ聞きたい」
「なんだい?」
「願いというのは必ず必要なものか?」
「それはどういうことだい?」
「そのままの意味だ」
「全く不思議な子だなぁ君は。確かに私は言ったはずだよ?アイテムはあくまで願いの対価だ」
そういえばそんなことを聞いた気はする...ある種、快感とは恐ろしいものだ。
...まてよ?こいつらなら人間を相手取るより楽しいか?ふむ、試してみる価値はあるな。
「私を戦わせろ」
もう上手いこと言わなくていいよ
伝わらなくちゃ意味ないし
伝わらないのも相手のせいじゃ
自分ばかりで不幸だし
君のこと、忘れてなかったよ
だけどふたりは 少し変わった
君のこと、不思議とわかったよ
かわっても、わかってたけど
もう文章に まとめなくてもいいよ
まとまらないの知ってるし
伝わらなくても感じてるから
自分本意なふたりだし
君のこと、忘れてなかったよ
いつかふたりが へんになっても
君のこと、集めて笑ったよ
わらっても、洗いながせないけど
他の誰かといる時よりも、あなたと一緒にいる時が一番自然な私らしく居られる。
我慢しない。
お互いを大切に思うから、喧嘩したら、喧嘩したあとにちゃんと向き合って話し合おう。
お互いに尊敬し合うことを忘れないで、
私自身を大事にするのと同じくらい、あなたを思いやり、愛したい。
一緒にいてくれて、好きになってくれて、ありがとう。