企画「魔法譚」の用語解説です。
ちなみに企画概要は「魔法譚」のタグから。
〈大賢者〉
世界を巡り魔法を扱う素質があるコドモ達に“マジックアイテム”を渡し、魔法使いを生み出している謎の人物。
よく”魔法の伝道師”を自称する。
ゆるいウェーブのかかった金髪に青いエプロン、白い帽子に白い日傘とそこそこ目立つ見た目をしている(ちなみにモデルは某スキマ妖怪さんだったりする)。
どうやら有史以前から存在しているらしく、様々な歴史上の出来事を経験してきたとかしてないとか。
人間好き。見てて面白いから、とのこと。
マジックアイテムを何もないところから一瞬にして作り出すことができる(そういう魔法を使っているのか、大賢者自身の能力なのかは不明)。
「マジックアイテム」を作り出すこと以外にも、瞬間移動や日傘による飛行、変身、透明化やテレパシー、読心に各種属性攻撃など、様々な魔法を使うことができる。
掴みどころがなく、めちゃくちゃ胡散臭い。でも基本的には人間の味方である。
Ⅱに続く。
「今日はありがとうございました。つむぐと言いま
す。名前だけでも覚えていってください!」
今日も。手応えなし。
そして今日も、昨日とは違う駅にいる。
僕、春風紡は、毎日全国を回って、全国各地の大きな駅でライブをしている。
大きな駅といっても、建物に入らせてもらう訳ではなく、人通りの多い改札口の隅で路上ライブをする程度の小規模だ。
今日は、いつもより立ち止まって聴き入ってくれるお客さんが多かった。あと一週間ほど、ここでライブを続けよう。
ギターケースにアコギをしまいながら、僕はそんな事を考えていた。
毎日6時、会社の定時がくる頃、僕はライブを始める。
会社から帰る疲れた会社員の皆さんに届けるように、一曲目を捧げる。
買い物や、幼稚園のお迎え帰りの親子に楽しくなってもらうために、ギターを掻き鳴らす2曲目。
こんな感じで、時間帯で歌う唄を選んでいる。
僕が一番大切にしたいことは、人のために歌を唄う。人がいるから歌が唄えることを忘れないことだ。
なんて、かっこいいことを考えてみたけど、僕にも生活がある。
今は各地のネットカフェを転々としながら、貯金を切り崩して生活している。本当は、人の心配なんてとても出来ない現状なのだ。
でも、これからもっと頑張れば、誰かが認めてくれる。そんな思いを支えにして、今日も僕は唄っている。
魔法なんてものは初めからない。
そんなことはきっとなくて
君の持っているものが魔法だよ。
誰かの事を考えられる心も
立ち向かえる勇気も
すべてが君の使える魔法なんだよ。
せっかく持っている魔法を使わないなんて
もったいないだろう?
君の笑顔さえも
僕にとったら大切な魔法だ。
ほら
敵がまた来た。
君の魔法で倒してごらんよ。
僕が君をサポートするから。
間違えたって大丈夫。
さぁ
あの敵を二人で倒そうか。
車庫のトタン屋根に落ちて
跳ねる雨粒は
どこか儚げで
雨が弱まってしまうと
跳ねることさえできず
ただただ落ちて行くだけの
一粒の水へと変わっていく。
私はどちらかというと
神社で耳を澄ますと聞こえる
木の葉にあたる微かな音の方が
好きなのです。
鉛筆で書いた文字を
消すためだけに生まれてきた
なんだか
ずっと
すみません すみません
って
へこへこ謝っているように見えたので
そっと
小指で撫でてやった。
落ちる
落ちる
加速度をつけて。
落ちる
落ちる
重力と貴方への愛を背負って。
落ちる
落ちる
さあ堕ちろ。
いろとりどりの紫陽花が
つゆくさと共に雨に揺れている
かすみゆく視界
皆の嘲い声
がいとうが歪んでる世の中
わすれたかった君の後ろ姿
らふれしあの色に惑わされ夢と現実の狭間で
えらくなくたって
まちがったっていい
すすんだ道の先に君がいて欲しい
よるを照らす君の声
うその笑顔でもいいから
にじんだ涙の向こうにまた君を探す