月がきれいですねってことばは
あなたを愛していますっていみだって
きのうの夜しったから
こんやも月がきれいだけど
もうあなたには言えないね
水が無いのに
水に飲まれる
水が足りないのに
水に溺れる
火照る身体
ペットボトルの水は
夏だけは満たされる海だ
0.03の違いが引き裂く生と死
それは透明な空が描く水平線
夏はいつだって、溺れている
息
息が
息が出
息が出来
息が出来な
息が出来ない
夜に。
青春を綺麗に染色したいけど
間違えず上手くやらないと
嫌いな色になりそうで
未だにそれは灰色のまま
君の綺麗な横顔が目の中へと入る。
君の手が頬へと伸びてくる。
大きな可愛い君の目が
僕の小さな目と合う。
君は口紅をした小さな口でにこっと笑った。
まるで僕を包むかのような優しい目に
心を惹かれた。
僕の友達は去っていった
苦い思い出と甘い香りを残していった
友達とのLINEに残されていた
"Goodbye"
僕のもとに、薄墨で書かれた手紙が届いた。
「ねぇねぇ知ってる?」
透き通ったよく響く声が僕に語りかけてくる
いつもの出来事
「視界って簡単に曇るんだよ」
振り向きかけの横目で僕を一瞥した後彼女は背中を向けた次の瞬間
そして空を駆けた
日が沈みかけの校舎4階音楽室での出来事
不思議な事だ
でもそんな気がしていた
今日の朝のいつものおはよう
授業中に見た隣の君の目の色
音楽室に呼ばれた時
音楽室の窓を開けて風に吹かれて暴れるカーテンで見え隠れしていた君
なんだかその全ての君が今日そうすると予言していたように思えた
だけど僕は動かなかった
何となく君がそう望んでいた気がしたから
そしていつから僕はそんなに君の思い通り
いや
僕が勝手に思っている君の望み通りに動くようになったのだろうか
「ねぇねぇ知ってる?」
そのセリフを最初に聞いたのは今年の春だったか
入学式終わり知らない女の子に話しかけられて緊張で喋れない動けなかった僕の耳元でそう囁くように君は言って
こう続けたのだ
「死ぬのってどんな気分なの?」
僕の一生の中で君だけが僕を誰よりも知っている人
だったと思う
今も最期も