「じゃあイツキ君、パパっとやっちゃって」
「へいへい」
大賢者に促され、イツキは面倒くさそうにポケットからミニカーを取り出す。彼が魔法を発動させると手に持っていたミニカーがみるみるうちに大きくなり、やがて通常の車と同じサイズにまで巨大化した。
「これがイツキさんの魔法……」
「おう、すごいだろ?」
シオンが驚いていると、イツキが後部座席のドアを開けてくれる。中にはしっかりとした座席がしつらえており、先ほどまでミニカーだったとは思えない。
イツキのマジックアイテムは小さなミニカー。プルバック式のこの玩具は魔法を発動すると同時に巨大化し、おまけに内部構造も運転できるように改変されるため乗ることができるようになる。
大賢者は慣れた手つきで助手席へと腰を下ろした。
「イツキも今はこんなんだけど、昔はかわいいとこあったんだよねぇ。空飛ぶ車でドライブしたい! って純粋というかなんというか」
「うるさい。ミニカーを運転したいという小さな子供が持つにしては真っ当な夢だろ。てか我が物顔で乗り込むな大賢者」
「シオンにはドアまで開けてあげてたのに私には雑な扱いすぎない?」
言いあいながらしっかりとシートベルトを締め、イツキもため息を百回くらい吐きたそうな顔をしながら運転席へと乗り込んだ。
さきほどは仲が悪いのだろうかと二人を心配していたシオンだったが、どうやら彼らにとってはこれが通常運転らしいと気づいてからは何も言わなくなった。きっと旧知の仲というか腐れ縁というか、とにかく険悪な関係ではなさそうなのを見て取って安心する。いまでは軽口をたたきあう二人をほほえましく見ていた。
「シオン、シートベルトは締めたか? ……って何笑ってるのさ」
「いえ、すみません。では早速出発しましょうか」
***
#7更新です。
スタンプやレスありがとうございます。遅筆な私の励みとなっております……。そろそろ期末レポートも終わりそうなのでこっちの作業に集中できそうです。もうしばしお付き合いをば。
眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い眠い
こんだけ見たら
目が覚める気がする
死にたい夜を生きたら今日になって
生きてしまった今日を生きたら明日になる。
ほら、もう3日も生きれたよ。
ええい下りろ下りろ!この棚は俺のものだ!
そうカンダタが叫んだ途端、支えの釘が緩み、カンダタはまた地べたへと真っ逆さま。
お釈迦様はそれを見て、自分のことを棚にあげるのってやっぱり駄目なんだなー、と思いつつ、散歩を再開しました。
全ては空虚だ
僕達には等しく空虚な時間が与えられる
長さもタイミングも全然違うけど
全ては空虚で共通する
そして僕達は各々で自由に入れ物の中を飾りつける
その価値は不揃い
ただ1点本人にとっての最高で共通する
時間は空虚だ
自分自身のこと、棚から引きずりおろして同じこと言ってください。
人生を道に例えるから道を外れてしまう
だから人生を空に例えればいい
鳥のように自由に空を飛ぼう
貴方の好きなように
愛がないことに気付いて、また、愛があったことに気付いた
背骨のあたりで微炭酸が流れ落ちる
セルリアンブルーが制服に染みる
きっとそう、あなたの未完成はわたしの完成
ちぐはぐな想いも全部残さず
願わくばあなたと食べ尽くしたい
何の取り柄も持たずどこにでもいるただの
か弱い少年はその心に抱いた激情と
その小さくてか弱い握り拳を武器に世界に向かって
戦いを挑んでいく その無謀さがかっこいい
何の取り柄も持たないただのピュアな少女は
人に傷つけられ騙され犯され壊されていく
そんな不安定な心模様が美しいと思う