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残り火

去年の花火は知っている
君じゃない誰かと結んだ約束
去年の花火は知っている
闇に灯ったふたりの距離
しけった花火が照らす
白状で浅はかな恋心

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帰る場所

まんまるのまるで蜜をからめたみたいな
金色の月がぴかぴかひかる夜
ふだんは無口なおおかみ男が吠えていた
うおーうおーってあんまりわめくから
窓を開けてうるさいってどなってやったら
その顔好きだって言葉少なに近づいてきて
そのまま屋根裏のあたしの部屋に居座っちゃった
しょうがないから一緒に暮らしてるの
うちにはベットがひとつしかないから
おなじベットで寝て起きて
あたしはでかけて彼はおるすばん
あたしが帰るとすっごくうれしそうな顔するの
それみるとあたしもうれしくなっちゃう
あんまりしゃべらないけど素直で素敵なやつよ
じゃああたしはそろそろ帰るわ
飲み会は行かない
あいつのごはんは絶品だから

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霧の魔法譚 #9 2/2

「とはいってもファントム討伐は私とシオンでやるから、イツキは心配しなくてもいい。イツキ……もといイツキの魔法が必要なのは、この車がそのまま足場になるからだ」
「それって大賢者が空中浮遊するのは駄目なのか?」
「いつもならそれで十分なんだけどね。今回に限って言えばそれは無理。っていうのも今回は私もでっかい魔法を使わないといけないの。空中浮遊魔法を常時発動させながらシオンを支えて、それで大規模魔法を発動させるのはいくら私でも無理って話よ」
てっきりシオンだけが魔法を使うのだとばかり思っていたが、違うのか。大賢者も魔法を使わないといけないらしい。
それにしてもあの大賢者が大きな魔法を使わなければいけない事態って、いったい何なのだろう。
「それに帰りのテレポートもしなきゃいけないからね。さすがに短時間で魔法を連続発動させると私の身が持たないわけ。ま、精神力の消耗で貧血みたいになってそのまま海にドボン! ……ってことも十分考えられるので、今回はイツキに頼んだの。ひとまずこれでおーけぃ?」
「大賢者も魔法を使うのか」
「そう。ああでも今回のメインはあくまでシオンで、私はその補佐というか準備用の魔法だけど」
「なるほど……」
大賢者はもう一口紅茶を飲んでからその先を続けた。
「んでこの先に何があるのかなんだけど。……これは実際に見てもらったほうが早いかな~」
「実際にって」
続く限りの大海原を試しに見渡してみるが、ファントムどころか人も鳥も何一ついない。いやいや、まだ目的地に到着していないじゃないか。
勿体ぶってないでさっさと教えろと言おうと口を開きかけようとしたが、それより先に大賢者は虚空を指さして軽く微笑んだ。
「ここだ、ここ。イツキ、シオン、目的地に到着したよ」

***
#9更新です。遅くなりました。

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霧の魔法譚 #9 1/2

突如現れた大賢者とシオンという少女に強制連行、もとい手伝いとして車を走らせてから十数分が経過した。リーダーという役割を担っている者からすればみんなに非常に申し訳ないが、俺がいなくなったところで特に迷惑をかけるようなこともないので問題はない。だからと言って持ち場を離れてもいいというわけではないのだが、あいにく今はこの二人を目的の場所まで送り届けないといけない。
おそらくすでに戦闘が開始されているだろう遥か後方の仲間に頑張れとエールを送りつつ、イツキはまっすぐ前を見据えた。
大賢者の話では目的地はそれほど遠くないとのことなので、おそらくもうそろそろで到着するはずだ。しかし俺はその目的地に行ったとして、何が待ち構えているのかを知らない。いや、正確に言えば、大賢者から「ファントムを倒しに行く」とは告げられているから、きっとファントムがいるのだろう。しかしなぜ俺が連れて行かなければいけないのか、その理由が分からない。大賢者は飛行魔法も転移魔法も使えるはずなのに、その二つではなく俺の魔法を頼らなければならない理由でもあるというのか。
不安になるくらいなら事前にもっと詳細を聞いておけばよかったと思う。同伴しているシオンという名の少女の圧に負けて折れてしまったのは失策中の失策だった。
「なあ大賢者、これからやるのって本当にファントムを倒しに行くだけなのか?」
「ん、どうした急に」
今からでも遅くないだろうと大賢者に尋ねてみる。大賢者は気の抜けた声で応じると、どこからか持ってきたクッキーを一つ齧った。
どうやら後部座席のシオンにも振舞われているらしい。いやいや、そんな呑気で大丈夫なのかよ。
「その、なんで今回俺が手伝いなんかしてんのかなって思って。ファントムを倒しに行く以外に何かあるんじゃないかって」
「……あー、そっか。そういえばイツキにはまだ今回のこと、詳しく伝えてなかったね」
大賢者は齧っていたクッキーを食べ終わり、保温瓶の紅茶を啜ってから話し始めた。

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贖罪の山羊

贖罪の日に私は
罪を背負されて離された
のはらは私には広すぎて彷徨い
山の中でも、動物にさえ後ろ指を指される感覚が体を這う
羊の群れに紛れていたらさ、良かったと思わない?

それが私の贖罪

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ベットの上には

ベットの上にはいちばん大切なものが
苦しい時楽しい時いつも一緒だった

僕の横には友達が
いつもは目をみて話せなかった
今日は手元になにもなかったから
君の話をよくきけた、君と一緒に笑いあえた

ベットの上の大切なもの、僕のとなりの大切な人
いちばんなんてないんだね
一緒にいようね、これからも

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ポエム

雷が泣いている⛈️
仲間にいれてほしくて笑ってる…のに…
怖がっている..人間が..友達になりたいだけなのに..
あ~悲しいな

by 名も無き恋の中二病(第2)

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いたみ

怒りだけ 元鞘に収まって
そんなもん どうだっていいのにさ

痛みだけ 君に染み付いて
角の取れた 優しげな君の目じりにシワ

したり顔 ことさらに強まって
歌になんて出来やしねぇんだよ

嫌いだぜ 君にいらついて
僕はいつも イレギュラーをしていたい。

3分間のおまじない
君にはカップヌードルだね

君と見つめ合う静けさも。
もちろんアンプ切ってるから

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ぴんと

あくびを奪った太陽光
そこにはただ大口をあけた君が
2秒後の照れ笑いが
心のシャッターチャンス

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涙の煌き

涙を流すのはいい事だ 泣いている時には
自分が生きている事を実感する 
流した後の心の変化はまるで自分の中の
汚れが洗われた様に思えてくる
だけど…自分が好きな涙は泣かされた涙より
泣いた涙の方が好きだ