表示件数
2

みつつみつつみ

キャラメルの包み紙で鶴を折ってくれたあの子がわたしは大好きで、
だから たとえそれが
わたしの知らない彼女の一片だったとしても
あんなふうに言われるのは
とても、とても嫌で
ばかばか 何も知らないで
って言葉がそのまま戻ってきても
わたしの大好きなあの子は
あの子のままなのです。

0

木影

あたらしいワンピースを買ったのって
きみがやわらかいスカートを
ふわっとゆらしてまわったとき
あわい金木犀のかおりが
あまったるく鼻のおくにからんだ
秋のはじまり

0

贅沢

隣なんて贅沢は言わないよ
近くにいるだけで
君のそばにいるだけで
私はこんなにも幸せなんだから。

話しかけてなんて贅沢は言わないよ
声がするだけで
君の歌が聴こえるだけで
私はこんなにも幸せなんだから。

付き合ってくらい贅沢は言わせてよ
君の近くにいることで
君の声がすることで
私は君に想いを募らせているのだから。

0

家族喧嘩

あなたが「当たり前」と言ったこと
それはあなたの世界の当たり前で
私の世界の当たり前じゃない
あなたが「間違い」と言ったこと
それはあなたの世界の間違いで
私の世界の間違いじゃない

あなたの価値観 私の価値観
それぞれ違うからいいのに
あなたの世界と私の世界は
見え方が違うからすれ違う

言い争うとどうしても
相手が敵にみえてしまう
味方を探してしまう
でもあなたの敵も味方もいない
だって私たちは家族でしょう?

あなたは私に何も言えなくした
だから今だって自分の意見を言うときは
緊張して怖くなって泣きそうになる
勇気をたくさん使わなきゃいけない

最近は勇気を出して あなたに
自分の意見を伝えるようにしてるけど
もう少しちゃんと
互いの言うことを聞いた方がいいかもな
まるで議論のように話し合えたら
もっと平和に仲良くできるんだろう

あなたの立場なんか知らないし
あなたの気持ちも分からない
でも知ろうとすることはできる
分かろうとすることはできるんだよ
信じてみようよ
だって私たちは家族でしょう?

0

佐々木の世界

AM6:00
【ピピッピピッピピッピピッ】
「ん、、、くわぁ」
また今日も朝がやって来た。

【ピロリン】
『おはよー!今日の学校休むー!』
『オッケー('-^*)ok』

正直、友達付き合いは苦手だ。
人と話すのがそもそも得意ではない。
だからと言って、友達付き合いをしないのは勇者である。孤立主義ではないから、そこは乗り切るしかないのだが。とりあえず返信せねば。
何とか打ち込んで、いざ送信しようと思った時には、既にトーク画面の話題は移っていた。

AM8:00
「詩織ちゃん、おはよー」
「お、おはよ、、、」
人と話すのは慣れない。難しい。
私は小さい頃から、「大人しい性格」というレッテルを貼られて来た。だからなのか、話しかけてくれる人も少なく、いつの間にか「頭が良い」と有りもしないことを言われるようになった。

今日も、一人で過ごすだろう。特に異論はない。いつも通りの生活。何も変わらなくて良い。

誰かに侵入してもらおうだとか、この生活を壊そうだとか、そんなことは望まない。

席に着いて、お気に入りの本を広げて、栞を取り、 さぁ本を読もうとしたその時。
「佐々木さんいますか?佐々木詩織さんです」
誰かに名前を呼ばれた。誰だ。

廊下に目を向けると、そこには知らない女子が立っていた。
「はい、佐々木ですけど、、、」
緊張状態かも。あぁ、机の上の本は大丈夫だろうか。置いて来てしまった。どうでも良いことに気がとられる。

「あの、私、2年夏組の田辺と言います」
田辺さんは軽く自己紹介をした。
「夏組のクラス委員をしています。お時間頂戴してもよろしいでしょうか」

良いから早く言えよ。こっちは(本を読むのが)忙しいんだよ。おせーよ。
なんて思っていても口には出せない。こんな時の為に、世間には愛想笑いというものが存在する。

「時間はありますが、何のご用件ですか」
「冬組だけ、クラス委員が決まっていないんです。もし良ければ、佐々木さんに」
「お断りします!」

これで良い。私に役職など必要ない。田辺さんには悪いが、私には向いていないのだ。

今はこのままで良い。
そう思っていた私に、色々な出来事が降りかかるのだが、それはまた次のお話で。

0

羊の藍

愛の唄を歌ってほしい
泣いてくれていいから
この世界に今生きていて
今唄を歌う
貴方と私のこと

羊の唄を歌ってほしい
笑ったって構わない
白い羊の世界で
迷子の黒羊みたいに
僕と貴女みたいに

恋の唄を歌っていよう
強がってもいいから
君の世界を覗かせて
今キミノウタを聞かせて
わたしとあなたのこと。

あなたの世界の答えは
わたしの唄を歌う。

0

音 3

これから私は
大人になって
君との距離は
どうなるの?

風がびゅうびゅう叫んでる
まるで私の気持ちみたいだ
辛くて苦しくてでも好きで
そんな私の気持ちに似てる

心からの感謝を
貴方に捧げたい
大好きだからさ
伝えたいんです

0

No title

あなたがいないと生きられないなんて
そんな訳ないけれど
もし誰かと共に生きることが許されるのなら
あなた以外に思いつかない