表示件数
0

君へ

ごめんね ごめんね
君はいつも繰り返す

心配してくれてありがとう
でも、もう、本当に大丈夫だから
ありがとう

でもさ、僕、わかるよ
それ、嘘だよね
にこにこ笑ってるけど
本当は泣いてる

ねぇ、泣きたいときは泣いてもいいんだよ
つらいときは逃げてもいいんだよ

君はいつもいつも頑張ってるから
自分を責めることだけはしないでね

0

変なやつ

誰かに背中を押された…そんな気がした
次の瞬間、声が出た

なぁ、やめろよ、そういうの。

罵声と暴力を浴びせていた
獣たちが俺を睨み付ける
たくさんの観客がこちらを見ている

あ?お前さ、こいつの肩持つの??
…お前もこうなりたいのかよw

…いや、そんなことする暇あったら
購買のパン、買いに行けよ
もう、無くなるぞ?

…ちょっと買ってくるわ

獣たちは一斉に教室を飛び出した

あいつはびっくりしたように
その様子を見ていた
そいつらが去って安心したのか
小さく息をついた

…ありがとう。助けてくれて。
あいつはまた、へらへらと笑った
今にも泣き出しそうな顔だった

たぶん、俺は初めてあいつの笑った顔を見た。

0

佐々木の世界 【佐々木、夢を見る。】

周りがもやもやしている。何かに包まれているようだ。
ここはどこだろう。私はこんな所で何をしている?
「佐々木さーん…」
どこかで声が聞こえる。誰の声?
だんだん視界が晴れていく。
もやがとれて、声の主が現れる、はずなのに。
そこには誰もいない。
「ここは、どこ…?」
私の声は、ふんわりと宙を舞い、やがて溶けて消えた。
足を踏み出した。何故か進めない。
もがいてもがいて、進もうとするのに、一向に前に進めない。
何が起きている?
私はこんな所で何をしている?
もう何も分からない。
頭も心なしかぼんやりしてきたようだ。
「佐々木さーん…」
また誰かが私を呼んでいる。
誰なの?誰?

佐々木、ふと考えた。
いつもの私もこんな感じなのだろうか。
ふわふわしていて、これと言った特徴もなく、言われた事をこなし、頼まれた事を受ける。そうして生きて来た。
いつもの私は、みんながいたからこその私だったのか。
「佐々木さん」と呼んでくれる人がいたから、私は佐々木だったのか。
私は今、誰なのだろう…

佐々木、夢を見た。
そして、佐々木、自分探しの旅を始める。

0

クラスが同じになって半年が過ぎたね
もう残り半年しかないんだよ
去年の今頃は、君が私に恋をした
そして今年は、私が君に恋をした
すれ違う想いほど憎いものはないよ
でも最近、君が近くにいる事が増えた
私に近づいて来てくれた
あなたの想いを教えてよ
願わくは、君が私に恋していますように