10月の写真。
集合写真。
あの頃は何も考えず笑ってられたね。
あの頃は何も考えず傍に居られたね。
君の笑顔。
私の笑顔。
それを見る私。
ねえ、前は笑顔になれたのに
今は涙が出るのは何でだろう?
最近、窓辺にいる事が多くなった私を時々、先生が気にかけて訪ねて来てくれる。
『今日の君も見つけやすいな(笑)。』
先生がニコッと笑いながら言う。
「宝物探しゲームみたいに言わないで?学校狭いんだもん(笑)。すぐ見つかっちゃうよ。」
『また何かあったか?』
「特にないよ?な〜んにもない(笑)。」
ニコッと笑った私を見て先生は隣に座る。
『何かあったんなら、私には言え。私だけでいい。ちゃんと君を受けとめてやるから。』
「ありがとう(笑)。」
『笑いながら泣いてる。』
先生はそう言って私の頬に手を伸ばし涙を拭う。
「えっ?」
笑っていたつもりだったのに、先生が変な事言うからだ。
『何かあったか?』
「何もないよ(笑)。先生が変な事言うから(笑)。」
『私のせいか?(笑) ごめんごめん(笑)。』
「でも、ありがとう先生。嬉しいよ。」
『良かった。』
先生はニコッと笑顔を見せ肩を降ろす。
本当は沢山言いたい事があるし、先生に聞いてもらいたい事もある。
でも、先生にだけは迷惑をかけたくなかった。
それに、私の事をわかってくれるだけで、気にかけてくれるだけで良かった。
私は先生がいなかったら本当に1人になってしまう。
そう思いながら先生に言った。
「先生も何かあったら言ってね?私も先生をちゃんと受けとめるから。」
ただ1人、私の事を見てくれる先生には誰にも言えない秘密がある。
その秘密を二人で分け合った私達は、お互いを見つめていた。
私も先生もたった1人だけ、理解してくれる相手がいた。
それはきっと、どの星にいる誰よりも幸せな事なのだと思う。
私たちはずっといる。休み時間も登下校も一緒にしてるし、席替えをして席が離れてしまったけどそんなの私たちに関係ない。
ずっと音楽の話をしている。どちらかが新しいアーティストを知って紹介すると絶対に相手も好きなのだ。つまり好きなタイプが一緒。
「あのさ、私たちって友達でいいんだよね?」
ある日ここが言ってきた。
「当たり前だよ。友達。…いや親友かな?」
「えっ。親友までいっていいの?」
「もちろん。ここは私の大事な親友」
そう言うと安心したように笑った。私はそんなふっと息を抜いた顔が好きだ。
今までは私が積極的に話しかけていたけど、それから向こうも話しかけに来てくれた。それが何より嬉しかった。
土曜日。私たちは公園で待ち合わせをし、自転車で出かけた。
予定通り服を見て、お昼も一緒に食べた。
まだ時間があるのでもう1軒回ることになった。
ふらりふらり
春風に誘われて
ふと空を見上げれば雲に紛れて月ひとつ
この街に来てそろそろ2年
見つけたもの見失ったもの
届いた想いと届かなかった想い
君に会いたくても会えない世界
夢や目標を抱えて歩いても
希望が見えなくて
進む方向が分からなくなった
それでも私は生きている
それでも私はこの街で歩いてる
ゆらりゆらり
雨音に呼ばれて
ふと外を眺めれば雲の切れ間から虹ひとつ
漂うように生きてきた20年間
信じては裏切られて
それでも人を信じたくて
希薄な糸を手繰り寄せた
君に出逢えて良かった
そう思える日々を大切に抱え
今日も私は生きている
今日も私は確かに歩いてる
午前深夜 光る手元 瞳に映る君
君からのメッセージに点滅する携帯
月が照らす夜に私の想いが透けないように
星が流れる時に僕の願いが先走らぬように