朧げな記憶を辿って
わたしは曇天を游ぐ
断片的なもやもやに
立ち向かう覚悟あれ
一筋の誉れを希って
死にもの狂いの口実
弁解も程々に飛躍す
はじめまして女神様
ずっと逢いたかった
気の遠くなるような 茹る夏の夜
頭だけに 伸し掛かる重さ
心だけに 刻み込まれた痛み
胸だけに へばり付いた苦しみ
虚しくなるような 寂びしい秋の夕暮れ
記憶だけに 空いた穴
燻んだだけの視界
思い出だけが 遠回りする
凍てついて感覚を失う 冬の部屋
脳だけに 覆い被さる言葉 その重み
身体だけに しがみつく熱
悪魔だけに 分かる暗号
風景画のような 春の明け方
夜だけに 熱を持つ雫
一筋落ちただけの雫 火照る頬
締め付けられる胸 溢れる熱
記憶にしがみ付く手
思い出だけが また遠回りする
貴方が私のそばにいることが奇跡だと、
思った瞬間、奇跡になっちゃうから
思わないようにするね
すぐ冷めるんだ
「熱しやすくて冷めやすい」
占いで見る度に
「当たってないや」
って思ってたんだけどな
今更気づいた
みんなを傷つけてたかもしれないこと
自分が思ってる自分が自分じゃなかったこと
16年もかかった
だけどね、先生、先生だけは違った
私は、先生のことだけは、
何年経っても好きなんだ
何年経っても忘れられない
貴方の声も、仕草も、口癖も、
姿勢だって、横顔だって、
ずっと、思わない日は無くて
貴方の居る思い出はどれも大事で、
綺麗で、もう思い出すことしか出来ない
わかってるけど、思い出だから、
忘れてなくしてしまうのが怖い
筆を執る。
人生を語る。人生は物語である。
起伏の豊かなソレは多くの何者かを魅了し、起伏に乏しいくても、起伏が乏しいという事実が、
何者か達を魅了し得る物語になる。
けれど、誰もが魅了される物語を生きる者など、
何処にでも居ないのだ。
憧れたあの人は、持っていた。
何者かを魅了するソレを。
誰にでも見えない、誰にも見れた様な景色を、
描く事が出来なかった者たち。
プロローグで既に結果は決定された。
筆は静かに冷たい机で眠りにつく。
プロローグで詰んでいる。
疑問がある
更に疑問が出る
続けて疑問と出会う
何もかも 分からないことだらけで
分かりませんという答だけが
最後まで正解の可能性を失わないで
脳内をぐるぐると回っている
愛とは
自分とは
幸いとは
君とは
死とは
人とは
生きるとは
恐らく正解は無くて
僕は無数の疑問に埋め尽くされて死んでいくだろう
それでいい
これが答だと言いきる強さが
僕には欠落していて
むしろそれこそが僕なのかもしれない
何があるか よりも
何が無いか の方が
その人の本質に近い
人生とはその欠落を埋めようとする気高い徒労に他ならないからだ
疑問符で埋まる僕の棺を
花畑のようだとあなたが笑う
宝箱のようだと僕も答える
「神様、分かりませんでした」
「でもとても、美しかったんです」
「楽しかったんです」
「いとおしかったんです」
それでいい
『今、何を思ってる?』
考え事をしながら歩いていると、いつものように先生が話しかけた。
「おっ先生!倫理的な事、考えてたよ?」
『倫理的な事とは例えば?』
「人間の得ることができる“最大幸福”について。」
『それで論文書けそうだな(笑)。』
先生はニコッと笑う。
「倫理ってどうやったら幸せになれるかを考える教科でしょ?」
『確かにそうかもしれないな(笑)。』
「だから、“最大幸福”を考えてた(笑)。」
先生は少し考えて問う。
『君の“最大幸福”は何だった?』
「う〜ん。まだよくわからないや。」
『きっと、これという答えはないだろう。それが倫理だ。』
「最大幸福に近づくには、その時々で考えなきゃいけないんだろうね、きっと。」
『倫理は一番必要のない教科かもしれないが、生きるうえではとても重要なものだ。』
「そうだね!!もっと倫理学ばなきゃいけないかもね〜(笑)。」
『“最大幸福”を考えられている君だ。きっと大丈夫だろう。』
「私は先生の思ってるより良い子ちゃんじゃないよ(笑)。」
私は笑って答える。
私の“最大幸福”。
それは、先生と他愛もない話ができること。
これが一番だと思う。
メールは文通に似ているので
私はLINEよりメールが好き
あなたは?
なにかに気付くことができたら
もうそれは青春でいいと思う。
ほら、遅くはないから、
眩しい、
胸が痛い、
一緒にいたくない、、、
なんて思っても次の日には
君の隣で笑ってたいって
恋する乙女の心は揺れる