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歩く深海魚

旧くなった春をいつまでも
タオルケットみたいに抱いて眠る
干からびた海を歩く
鯨の骨に腰をおろして
味のしない月を一口かじる
黄昏れられる景色はどこにもない
文明も恋も砂がすべて呑み込んで
古くなったタオルケット
母のぬくもりとおもかげ抱いて
眠る、春はまた新しく訪れる

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ヘンテコでいたいけど変哲もない平日

へばりついたガムを避けて
凹んだ空き缶見て見ぬ振り
半額の惣菜を買えたよって
意気揚々と歩いたら転んだ
大丈夫?に大丈夫を返して
食べ物の恨みは怖いんだぞ
今日という日も何もなくて
健康で過ごせた神様有難う

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金魚の泡

時を纏う透明が漂い
像を得ようと青へもがいてみる

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ディープキス

燃えるように熱い、僕はこの身を捧げた。
そっと空気の流れが塞がれた。
広がる鉄の味。
赤くて、熱くて、容赦のない、命の尽きた匂いがした。

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お願い

どうか身体壊さないでください
疲れはしっかり取ってください
夜はぐっすり寝てください
無理はしないでください

笑顔でいてください

心から笑顔でいてください

幸せでいてください

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幻秘色

大切なモノを失くして
生きてく意味も見失って
でもやっぱサヨナラは痛いから
僕と「日々」を探すのです

青臭いながら輝くこの日々を
埋め合わせに使うのはもったいないな
美しいものは美しいまま
そのまま失くしたいのです

あんなに苦しかった古傷が
去った途端に愛しく思えて
この痛みも可愛くなるのなら
今はとりあえずその日だけを
目指していこうかと

大切なものを失くして
ここにいる意味も見失って
でもやっぱ貴方と居たいから
そっと布団に戻るのです

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いらない

こんな手と腕なら要らなかったよ
誰か愛する人と手を繋ぐ為のモノじゃ
なかったのかい?
一生側にいたい人を抱きしめる時に使う
モノじゃなかったのかい?

こんな足なら要らなかったよ
誰か愛する人と歩幅を合わせる為のモノじゃ
なかったのかい?
大好きな人と足が触れ合った時
幸せを感じる為のモノじゃなかったのかい?

僕らはままならないんだよ
どうして誰かを傷つけるんだろう?
僕らは甘え過ぎたんだよ
どうして?そうじゃなかったでしょう?


こんな身体が僕に
あることに喜んでいたのに
当たりクジだと喜んでいたのに
なのに、こんなハズじゃなかったでしょう
こんな事になるなら要らなかったよ
僕はもう…


こんな口なら要らなかったよ
誰か愛する人とたわいもない話を
する為のモノじゃなかったのかい?
絶対幸せにしたい人とキスを
する為のモノじゃなかったのかい?

こんな目なら要らなかったよ
誰か愛する人のことを見る為のモノじゃ
なかったのかい?
この先もずっとヨロシク、って
誓い合った人と見つめ合う為のモノじゃ
なかったのかい?

僕らは悶えるんだよ
どうして誰かを傷つけるんだろう?
僕らは泣き虫なんだよ
どうして?そうじゃなかったでしょう?


こんな身体が僕に
あることに喜んでいたのに
当たりクジだと喜んでいたのに
なのに、こんなハズじゃなかったでしょう
こんな事になるなら要らなかったよ
僕はもう…


99%の当たりクジの僕
残りの1%のために
生きるって決めたのに
背負うって決めたのに

僕を幸せにする為の身体じゃなくて
誰かを幸せにする為の身体…

誰かを不幸にする為の身体じゃなくて
誰かを幸せにする為の身体…
 

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友情ポエム

なんだかんだいってさ、

いつもいっしょだったよね

笑って、笑って、笑って、
結局いっぱい笑ってさ、

泣いたりもしてさ…、
でもやっぱ
お腹痛いほど笑ってさ、

楽しかったよね

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恋ってかんじのポエム

叶わないって分かってて恋するんだよな。

だからこんなにも切なくて

こんなにも大事な気持ちになるんだよな。

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うす紅の招待状

ポストに舞い落ちた
うす紅の招待状
そよ風にふくらむ
ワンピースで出かけたら
懐かしい仲間達が
待ってる喫茶店
ストライプのテント看板

Um... DOUKI NO SAKURA
会話に華が咲くけれど
初恋のあの人はまだ
まだ現れないの 私の前に

カランコロン 鈴が鳴り
彼が店に入った
“遅くなってゴメン”
あの日と同じ云い方ね
フラれた頃から二人
青さ失くしたけど
春の儚さ 持ち続けてる

Um... HANA YORI DANGO
他人(ひと)はからかうけど
ほほ笑み向き合えば
今も変わらないの この気持は

いつまでも語り合った私たち
すっかり夕暮れに溶け
また歩き出した それぞれの道

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片想いのメール事情。

送信ボタンを

押す

それだけなのに

出来ない

君がメールくれてから

もう1時間経った

遅いかな

でも送りたい

出来上がった文を消して

もう一度書き直す

そして

送信ボタンを

、、、。

押せない

君は私のメールを

待ってるんだろうか

待ってて欲しい

送信ボタンを、

押した。

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〜二人の秘密〜

私はいつもの窓から、桜の木を眺めていた。

『満開になったな。』
先生の声がしたので振り返ると、先生はお盆を数センチ上にあげた。
『満開になったら花見って約束しただろ?』

「約束したけど、どこからそのお盆持ってきたの(笑)?」
『私の部屋からだが?』
「ここに来るのに誰にもみられなかったの(笑)?」
『あぁ。』
「先生が廊下でお盆持って歩いてたら変な人だよ(笑)。」
『今日は休みだから誰もいないさ(笑)。』
先生は笑うと隣に座る。

『お茶とお菓子。好きなの食べろ。』
「ありがと〜。」
私はお茶とチョコレートを手にとる。

「もう花びら散ってきちゃってるね。」
『それはそれで綺麗だ。』
「私も満開よりは、散ってるときが好きよ。」
私がそう言うと、先生は散ってきた花びらを一枚掴む。
『ほら、花びら。』
「先生って可愛いことするんだね(笑)。ありがとう(笑)。」
『私も散っているときが一番好きだ。人間は満開の時にしか見てくれないだろうが、桜が散るのは人間にない儚さがある。』
「要するに、綺麗ってことでしょ(笑)?」
『あぁ(笑)。哲学っぽくなっただろ(笑)?』
「う〜ん、どうだろ(笑)。」
先生はチョコレートをひとかけら口に放り込む。

『まぁ、いいじゃないか(笑)。花見を楽しもう。』
先生はそう言うと、太陽に手をかざす。
『今日は良い天気だな。』
「風も気持ちいいしね。」

私達は太陽の光や風を浴びながら雑談し、とても素敵な花見をした。