雨が降って降って降って降っている
青空に全く出会えない
雨の匂いが満ちている
水の匂い
生命の始まりの香り
胸の鼓動に触れてきた
鼓動もわからない刹那
自然を装って本当に自然
かも
偶然か必然を抱えながら
なんでもないを装って
お口の平たいおさら
さきまわりして
へんな奇跡が捏造できるのは
わたしのわるいくせだから。
静かな噴水。
月の光が反射する。
地面には影が伸びて
私は手首で水遊び。
ノクターン。
静かな夜に響き渡る心のサウンド。
夜想曲。
そっとあなたを包み込む奇跡のメロディー。
「先生、おはよ〜。」
今日はいつもの窓辺、ではなく先生の部屋の扉を叩いていた。
『あぁ、おはよう。どうかしたか?』
「いや、もう夏休み終わっちゃうのに、宿題が手に付かないから遊び来た。」
『おぉ。…遊び来たか?』
「ねぇ、なんで繰り返した(笑)?」
『繰り返してはない(笑)。…う〜ん、麦茶くらいしかないぞ?麦茶でいいか?』
「うん!麦茶がいい!」
先生は冷蔵庫の中から麦茶の入ったピッチャーとガラスのコップを2つ取り出した。
『あとどのくらい残ってんの?』
「宿題のこと?あとちょっとが多いのよ。」
『半分しかやってないだろ(笑)?』
「そうね、半分くらい(笑)。」
『じゃあ、宿題持ってくるか?』
先生はコップに注ぎながら問いかける。
「どこに?」
『ここに。』
「なんで?」
『ここでやるから。』
「嫌だ。」
『嫌なんかい(笑)!』
「嫌に決まってるでしょ(笑)!この時間はこの時間で大切だから(笑)。」
『じゃあ明日にでも勉強会しよう。それならいいだろう?』
「えっ?ごめん、聴こえなかった。」
『確信犯だろ(笑)。』
「もう(笑)!わかったよ(笑)。明日勉強会ね。」
私はお茶を飲むと一息つく。
『8月も、もうすぐ終わりだな。』
「寂しいね。花火大会とか行きたかったな。青春したかったわ(笑)。」
私は先生の横顔を見ながら、私の青春は学校生活よりもこの人だなと感じていた。
私はくすくす笑いながら、ただ一つ、「先生に浴衣姿を見てほしかった」とは言えなかった。
なんで私は「灰被りの少女」なんて呼ばれな
きゃいけないの?
あの人達が勝手につけただけでしょ。
私は何でこんなに見窄らしい格好をし
てるの?
あの人達がそれを許さないからでしょ。
私は何で舞踏会に行けないの?
あの人達が私を召使いって思ってるからで
しょ。
私は何で動物たちと話せるの?
自分よりも小さいものたちの声を聞こうと
する心があるからでしょ。
フェアリーゴットマザー教えて。
私は本当に何かを信じ続けているの?
ええ。
信じ続けているから私に聞くんでしょう?
布団から出たくない
当然だ…
自分の体温と同じだから…
自分にとって全てが都合のいい空間
外力の介入を許さない至高の空間
でもいつかは出ないといけない
汗が染みちゃうから
汗臭い布団にいるくらいなら
外界と戦う…
たとえどんなに寒くても…
人間関係も同じだ
仲良い人とだって永遠なんて無理
染み始めた汗はちゃんと洗わないと
だからたまにその布団を洗濯して
たまに違う布団で寝るのも悪くない
忙しない現代の唯一の休憩所が布団だ
人間は人生の約3分の1を寝て過ごすという
と言っても実際は記憶がないから
そんな実感はない
故に布団の思い出を探してみると
案外寝なかったことの思い出が多くなる
修学旅行の枕投げ
就寝時間後の布団での会話
卒業式の夜寂しくて泣いた
とか…
なのにどうして英語では
布団に入る=就寝
なのだろう
布団の中の思い出ってちょっと特別
寝ない夜だってきっと悪くない