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泣きたい拳銃

しょうがねぇ、だけじゃ何も始まらない
うるせぇ、の罵倒だけじゃ誰も倒せない
頭じゃ分かっちゃいるけれど、ね

傷が出来た分だけ強くなりました
アザができた分だけ強くなれました
血が出た分だけ僕は大人になれました
皮肉ですか?

生まれ持ったもので生きてる奴ってズルいよなって
お前が言うなよなってハナシだよ

愛したいのに愛せないこの身体でもなく
殴りたくても殴れない不透明な明日でもなく
ちゃんと実体のあるお前に、アンタに
てめーに用があるんだ

生きたくても生き足りない心臓でもなく
吸いたいのに吸い切れない酸素でもなく
見えてんのにタチの悪いお前に、アンタに
貴様に用があんだ

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俯瞰

あの日の日付変更線が、私の心に居候している。


絵本がこつんと落っこちて、喚いたあの夜から
寂しさをたぶらかしたあの夜から
繋いだ電話、無言のままだったあの夜から
指先でゼリー掬ったあの夜から
壁と向き合って宥め合ったあの夜から
心が
心が、
こころが、
お前には分かってほしくねぇほど痛かった夜から

私は
何も変わっちゃいないんだと
線が告げている。

絶対に、と不安定な形容を添えて
「絶対に変わらないこと」を
敢えて変化と呼ばせて
あたかも特異であるかのような
そんな
狡い私が
未だ

あの何月何日かに取り残されている。

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ここにいちゃあ終わりが見えない

思わず埋めそうになるその胸は
誰を懐くためにあるんだろう
ゴールで先回りして待ってるから
どうか迎え入れて欲しい
下唇を食むにやけ方は
照れた時だけの得意技だから
思い人の前だけだよ

これはヒントだから


こっちおいで。

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いつかな

明日はダメになるかもしれない

今度こそ明日はダメになるかもしれない

何度も繰り返した想像
気持ちが溢れて吐いている
気持ちが抑えきれず叫んでる
教室を飛び出した

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緋い魔女(再掲) Act 11

「正式な主従じゃないから、敬意を示したり命令を絶対に聞いたりする必要もないだろう?」
そう言って使い魔は少女の後を追った。
少女はなら、と話を続ける。
「私だって容赦しないわ…お前が貴重品だろうと年上だろうと、あくまでお前を”武器”として使う」
…まぁ一応”借り物”だから、死なない程度に加減はするけどね、と少女は付け足した。
「分かったわね、”ナツィ”」
「ちょっと待て何そのあだ名」
少女の言葉に使い魔は思わず突っ込む。
少女はふふっと笑った。
「別に良いじゃない、フルネームじゃ呼び辛いし」
おあいこで、私のことは”グレートヒェン”と呼びなさい、と少女は言う。
「”マルガレーテ”だから”グレートヒェン”…魔術の世界ではそれで通ってるのよ」
少女はそう言って後ろを見やる。
少女の後を追う使い魔は、嫌そうにあーそうですかとだけ答えた。
その様子を見た少女はよろしいと言わんばかりに微笑むと、また前を向いて進んで行った。