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緋い魔女(再掲) Act 13

「…ま、ここまで痕跡が見当たらないのはおかしいんだけどね」
そう言ってグレートヒェンはまた歩き出す。
「人間が住んでいる所には現れた痕跡があるのに、隠れていそうな森の中にはそれといった跡がない」
…まぁ、私が見つけられてないだけかもしれないけど、とグレートヒェンは呟く。
「痕跡が薄すぎて人間には分からない、とか?」
ナツィにそう聞かれて、グレートヒェンはそうかもしれないわね、と頷く。
「留まっている場所に残る魔力がやけに少ない、とか…もしかしたら人工のモノかもしれないわね」
人工精霊なら魔力がその場に残りにくくなるよう作ることができるし、と言ってグレートヒェンは立ち止まる。
「まぁ、今回は精霊退治がメインだから、精霊の正体とかはどうでも良いんだけどね…」
とりあえず、今日はこれぐらいにしておきましょう、とグレートヒェンはナツィの方を向く。
「そろそろ暗くなって来たし…第一かなり寒いし」
さぁ、戻るわよ…とグレートヒェンは元来た道を引き返そうとした。
しかし、すぐ何かに気付いたように足を止める。

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緋い魔女(再掲) Act 12

「…見つからないわね」
森の中を探索し始めて幾ばくか、グレートヒェンはぽつりと呟いた。
「そっちは?」
グレートヒェンは振り向きざまに尋ねると、使い魔”ナハツェーラー”こと”ナツィ”はなんにも、と答える。
グレートヒェンはそう、と溜め息をついた。
「案外見つからないものね」
「そんなもんだろ」
そうナツィに素っ気なく返されたが、グレートヒェンは気にすることなく続ける。
「…別に、簡単に見つかるものだとは思ってないわ」
そんなのだったら、私の元に依頼なんてくるわけないし、とグレートヒェンは言って、ナツィを見つめる。
「そう言ってるお前とてどうなのかしら…まさか、感覚が鈍ってるってことはないでしょうね?」
ずっと屋敷の中に閉じ込められてたし、とグレートヒェンは相手を小馬鹿にするように笑う。
ナツィは思わずそっぽを向いて呟いた。
「やな奴」
「何か言って?」
グレートヒェンは笑顔で首を傾げる。
だがナツィは黙ったままだった。

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フィルムカメラ

あの人の右手

シャッターを切った。


どんな音がした?

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そばにいるから

きっともう会えなくても
届かなくても
それはいつまでもここにあって
忘れることも投げ出すこともできず
強く願っても叶わないことの方が
たくさんあるんだって
ぼくに突きつけてくる

きっともう会うことは出来なくて
この声も届かなくて
音にならなくても
ぼくはきみに伝えたい

「 ○○○○○ 」

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SNS

無数の先の尖った言葉の海を泳いで
光の線が覆う道を誰も追いつけないスピードで
カラフルでいっぱいの世界に唾を吐く

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終わりのない物語

自分の人生という物語
貴方はどんな話を作りたい?

自分の人生の物語だから
もちろん 貴方が主人公
モブキャラじゃないし
どんな主人公にでも
自分がなりたいと思ったら
なりたい自分になれる

物語の構成は
主に 起承転結
でも 貴方の作る物語だから
起承転起転結 でもいいんだ
起き上がってまた転んでも 
少し立ち止まる部分があっても
主人公は貴方自身なのだから

人生の物語だから
一生をかけて 描いていこう
生まれてから 死ぬまで
終わりのない物語なのだから

さぁ 貴方はどんな物語を作りたい?