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緋い魔女 Act 21

「…で、話って何?」
そう言ってナツィは珍しくグレートヒェンの方に目を向ける。
その様子を見てから、グレートヒェンは用件を話し出した。
「まぁ作戦会議と言った所よ」
あの精霊をどう追い詰めるか、明日何をするか、とかね、とグレートヒェンは微笑む。
「とりあえず、今日の調査だけじゃ分からないことが多過ぎるから、明日も森や集落の調査をしようと思うの」
ある程度出てきた跡が残っていれば、現れる場所の法則性を掴めるし…と言って、グレートヒェンは話を止めた。
「…話、聞いてる?」
知らず知らずの内に俯いていたナツィは、びくっと顔を上げる。
「眠いの?」
グレートヒェンはそう尋ねながらナツィの顔を覗き込む。
当のナツィは気まずそうに視線を逸らした。
その姿を見て、グレートヒェンは静かに呟く。
「…”ナハツェーラー”は寝ないと身が持たない、か」
まさかとは思ってたけど、本当だったのね、とグレートヒェンは苦笑いする。

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夢をみていた 1

 私は たぶん 魔法使いに出会った。

 空気が痛いと感じたのは、きっと寒いだけが理由ではない。
 何もかも上手くいかず、ほとほと自分に嫌気が差しさえしていたベンチに座る少女。


「こんにちは、お嬢さん」


 物語が、始まる。

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溶けそうな夜の、その隙間
蛍光灯はじじと鳴って
今そのペンが織り成す
何万キロを走る
あなたしか知らない言葉

は、いつの間にか紙くずとなって
青く白む空に
ふぅ、と舞った

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ゆめ

あまく とろけて
ふわりと まって
ぱっと きえかけた
わたしの ゆめは
いまは あのひとの てのなかに 
そうっと しまわれて
かがやいています。

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白昼夢

先生は
教壇に立って語ってる
この世界からあぶれる
人たちのことを
…そう マイノリティー

ちゃんと聞いてたら、
傷つきそうで、
ボロが出そうで、
今日も私は、
上の空。
貴女が隣で笑う未来、
想像して。

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無題

後ろを見たって誰もいないぜ
俺はいつだって最下位で
誰かの背中を求めてんだ

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忘れ物

忘れ物が何なのか
今ではもう思い出せない。

確か
「信頼」とか「感謝」とか
そんな気持ちだったと思う。

私の胸の中にある気持ち。
いくつか落としちゃったみたいで
ぽっかりと大きな穴が開いてしまった。

何処に落としてしまったんだろう。

『新た』な「愛情」が生まれる中
「信頼」を亡くしてしまって
どうしようか。

いつか
新しく
見つかるといいな。

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わすれるもの

夢を見た
何の夢かは覚えていないけれど
どんな夢だって
それでいい
夢は、わすれるもの

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ふわふわしてて、掴み所がない
空に流れる雲のように
でも、確かにある
掴めないだけで、そこにある