濁った愛を
あたためよう。
いつかそれを
掬うときに
躊躇いも無くなる様
おまじないをして
蓋をしよう。
いつかひらいて
浸れます様にと、
どうか私が生きることを
泣いてくれる様にと。
今しか要らないほど子供じゃなくて
どうかそれを証明したくて
子供みたいに足掻きたい
泣き喚きたい
きっとそうだ
偉い。
画面上のタイムラグが
僕らの恋をつついてる
これから私は
決戦。
もしかして
もしかしたら
あの人も
誰かと過ごすんじゃないかって
考えてしまう夜
そろそろ寝ないと、と思ったグレートヒェンは、ナツィにお休みを言おうとした。
しかし、何を思ったのか不意にこう言った。
「そう言えばお前…普段どこで寝てるの?」
まさかここじゃないだろうね、とグレートヒェンは尋ねる。
急にそう言われて、ナツィはハッとしたように顔を上げた。
「…ここで寝てるけど」
暫くの沈黙の後、ナツィはそう答えた。
「人気もないし、静かだから丁度良いし…」
こう答えるナツィを見て、グレートヒェンはふーんとだけ頷く。
「まぁいいわ…お休み」
グレートヒェンはそう言って書庫の出入り口の方へ向かおうとしたが、ふと足を止めた。
そしてくるりと振り向いた。
「…あ、折角なら私と寝る?」
「死んでも断る」
ナツィは間髪入れずにこう返した。
「そうする位なら死んだ方がマシだよ」
嫌そうな顔で言うナツィを見て、グレートヒェンはふふっと笑った。
「今のは冗談よ」
それじゃあ今度こそ、お休み、と小さく手を振ってグレートヒェンは書庫を後にした。
床に座ったままのナツィは、グレートヒェンが部屋から去る様子を見届けてから、ぱたっとその場に伏せった。
「何なんだか」
ナツィはそれだけ呟いて、目を閉じた。