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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 7.サイレントレイヴン ⑫

「ていうか、むしろコレそのまま貸した方が良い…」
「別にいい」
急に彼が喋り出したので、わたしはついポカンとしてしまった。
「入りたくないし、使いたくない」
ド直球の発言に、わたしははぁ、としか言葉が出なかった。
彼は呆れたように近くにあった建物の軒下に入った。
いつの間にか、その目から光が消えている。
「でもそのネコ…」
「…ロヴィン」
「え、へ?」
黎がわたしの言葉を急に遮ったから、思わず変な声が出てしまった。
「ロヴィン…こいつの名前」
黎は自分の腕の中に目を落としながら言う。
わたしはその様子をただただ見ている事しかできなかった。
…まさか、この間言葉だけ聞いた”ロヴィン”が、ネコの事だなんて。
というか、この人ってネコ好きなのかしら?
「…家で、飼ってるの?」
何気なく尋ねると、まぁ、とだけ彼は答えた。
「暫く行方不明だったの?」
そう聞くと黎はぱっと顔を上げる。
「あ、いや何となくそう思ったんだけどね…」
わたしは慌てて付け足す。

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君に優しいねって言われた

今までで一番幸せな日だ

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あの日を忘れない

あの日
一瞬にしてあたりまえは拭い取られた
一瞬にして幸せな未来は拭い取られた
3月なのに雪が降っているなか、細い細い蝋燭一本を惜しんでみんなで丸くなって過ごしたあの夜
やっと、水と電気が使えるようになった瞬間の喜び
過去を悔やんでもどうにもならない
だから、生きている限り伝えていこうと思った
あの日からもうすぐ11年が経つ
もう
11年か…

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あこがれ

君と君の
美しい愛情だけが
私の心を少し空に近づけている

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あのころな

「あのコロナ」と失った高校生活を悔やむのだろうか

「あの頃な」といつか自分の過去を笑い話にできるのだろうか

あの頃なんて言う大人にはなりたくなかった…
過去に縋ったら未来はない気がした…
でも今は誰にも未来が見えない…
過去以外に支えがない…
そんな中で一体僕はどうなれるのだろうか…
その頃の僕は今の僕をどう思うのだろうか…