カスミソウの香りと一緒に
君は「何処か遠く」へ行ってしまったね
また、会いたいな
また、会いたいね
そっと花束を抱えて
独りで街を歩くよ
「アイツ…逃げたな」
「ご同席願おうと思ってたんだけどな〜」
異能力使って探すか…と2人が話していると、不意に師郎が、あ、と呟いた。
「…あんな所に」
師郎が目を向けた方に見ると、ショッピングモールの通路の角からこちらを覗き込む少年が見えた。
「あれ、いつの間に…」
「ま、黎は気配消すの上手いから…」
でも異能力の気配はどうやっても消せないよね〜と、耀平とネロはのん気そうに言う。
師郎は仕方ないなーと言いつつ、黎の方に向かった。
「何であんな所にいるの?」
何気なくわたしが聞いてみる。
「そりゃ、アンタがいるから気まずいんだろう」
ネロは素っ気なく答える。
「アイツは都合が悪い事があるとしれっと逃げようとしたり隠れようとしたりするし」
「でもネロもそんなもんじゃん」
ネロの発言に対し耀平がそう言うと、彼女はそんな事言うなしー、と頬を膨らませた。
そうこうしている内に、師郎がこちらへ黎を連れて来た。
「ほれほれ、事情聴取始めるぞ〜」
そう言いながら、師郎は休憩スペースの椅子に座った。
僕
僕は猫だ、...だと思う。
気づいた時は人間の大人に持ち上げられていた。
部屋は、とても白いように見える。
「やっと起きたか、どうだ、気分は」
その大人がそう言った。
普通では無い感じがした、気味が悪い感じがした。
僕は暴れた。
ドアへ全速力で走った。
ドアに体当たりをすると、少し重かったが、開いた。
斉藤
まずい!研究対象に逃げられた!
あいつは何をするか分からない、追わなければ!
「きゃっ!」
女の人の声だ
「何だこの騒ぎは」
この声は、上司だ
バレたらどうなるか...
仕方がない、言うしか無いな。
ミルクチョコだと思って口に放り込んだら
ビターチョコだったように
人の本質を知ると苦い気持ちになる
片っぽ上がりの話題
サクサク刺されたわたし弱者
声を上げたら居場所はないから
ひたすらに空を仰いで
日が経てばきっとツワモノ
青春の種をまき散らかして
痛みに耐えて先を視て
吹き抜けた風が鼻先を擽る。
遠くで花開く春の匂い。
目を閉じ始めた冬の匂い。
私はこの季節の風の匂いが好きだ。
調子を取り戻してきた太陽の暖かい匂い。
日々の暮らしの匂いを風に乗せて。
いつかの私へ、遠くのあなたへ届くといいな。
私はなんとかやってるよ。
子どものままでいたい気持ちとは裏腹に
私はどんどん大人と呼ばれる歳へ近づいています。
60点で良い。たまに大笑いして100点をつけて。
ささやかすぎる毎日を、1日ずつ重ねていこうね。