「ま、良いさ」
わたしの様子を見ながら師郎は言った。
「今回は引き分けという事で、これでお開きだ」
もう夕方だし、と師郎は言う。
そうね、と稲荷さんもうなずく。
「今回は引き分けになってしまったけど…次回は負けないわ」
「お。そうかい?」
次は俺が勝ってやるさ、と師郎は笑った。
その様子を見て、ネロは口を開いた。
「ねー2人共、この後どうするー?」
駄菓子屋にでも行く?とベロは尋ねる。
「お、そうだな」
「それは良いかもね」
駄菓子屋で打ち上げなんて、と稲荷さんは言う。
「んじゃ行こーぜー」
耀平はそう言うと歩き出した。
ネロや黎、稲荷さんもそれに続く。
師郎も歩き出したが、不意に足を止めた。
「あ、お前さんはどうする?」
行くか?と師郎は振り返りながら言った。
暫くぼーっとしていたわたしははっと我に返る。
「あ、行く!」
ちょっと待ってと言いながら、わたしは彼らの後を追った。
〈8.イービルウルフ おわり〉
相変わらず迷子です
「どうしよう」が生ぬるい風にのって
桜吹雪に追い越されて
何が悪いのかはわからないけど
今の私じゃ間違いなくダメだって
ため息落として、体を少し軽くする
心は重くなっていくばかり
『優しいね』
ほんとはそんな人じゃないの
私、優しくなんてないから
認められる度に
褒められる度に
自分のことが分からなくなって
優しく在ろうとするの
でもそれって私じゃないよね
君が好きなのは「私」なの?
『優しい』のは本当の「私」じゃないんだよ
君が好きなのは「私の優しそうな仮面」かな
きっとそうだ
君の見てる「私」は「私」じゃない
私の見てる「君」は「君」だろうけど
おそらくそういうことね私たち
本当の「私」は君の好みじゃないでしょう
ごめんね
ずっと裏切ってるんだ
でも本当の「私」を見せるのが怖くて
春の陽気に隠れてるだけ
きっとそうだ
この世の2つ
頑張れる人間と頑張れない人間
勿論私は後者なんて周知の事実
ぱっぱらぱーのぱで踊り明かして
この案件また明日