暫くの話し合いの後、ネロが呟いた。
「…黎が感じる気配の正体、探しちゃう?」
「お、探す?」
「良いじゃん」
耀平と師郎はそれに賛同する。
黎もこくりとうなずいた。
「んじゃ、謎の気配探し、始めるか!」
ネロはそう言って歩き出す。
「そうだな」
そう言って耀平もネロに続く。
2人の目はそれぞれ赤紫色と黄金色に輝いていた。
「んじゃ、俺達も行くかね」
師郎もネロ達の後を追う。
黎は無言でついて行った。
「あ、待って!」
わたしも彼らに続いて歩き出した。
気付くと、ネロと耀平は少し先を並んで歩いている。
わたし含む残りの3人は、置いて行かれないように2人の後を追った。
?「一生に一度のお願いってさ、みんな結局何回もやってるよね。笑えちゃう」
ー本当にねぇ。
?「私は絶対に一生に一度しかしないから」
ーふぅん...。
?「今、その一回を使っても良い?」
ーうん。良いよ。
?「私を置いて、どこかへ消えないで!」
そう叫んだ瞬間、風が頬を撫でた。
あの子は、風に溶けて消えた。
?「.........嘘つき」
詰襟の中に隠した、
ほんとの気持ちを教えてくれませんか。
胸ポケットの辺りにある、
私の「痛み」を取り除いてくれませんか。
お互い慣れない制服から出た、
いつもの手を繋ぎませんか。