しあわせ色がきらきらり
虹に合わせてきらきらり
色も形も変えながら
今日も誰かを探してる
教室、電車、部屋の中、
今日も誰かを探してる
図書館、グラウンド、夢の中
今日も誰かと笑ってる
しあわせ色がふわふわり
今日もどこかを飛んでいる
ローファーは夏の音。
アスファルトは梅雨の香り。
太陽の微笑み。
優しい。
満員電車が青い。
汗は淡い。
筆箱が旋律を奏でる。
古いノートの懐かしい香り。
あの娘の微笑み。
儚い。
僕らは青い。
日々が淡い。
身近なものほど愛せたら。
こんなこと、でも愛そうと
愛おしい、と思えることが。
「しあわせ」だと、思います。
今僕が抱えている問題なんて
当然宇宙に比べれば
チリにも満たないちっちゃなことで
それに押しつぶされるのもバカらしい
いつしかそう考えて
物事を軽んずるようになっていた
その矢先僕にのしかかった
“小さな音”
低く、でも軽やかに響いていた
君が奏でるその音に
いつしか自分の小ささなんて忘れて
酔いしれた
久しぶりの感情だった
抱えきれない程の感謝と憧れ
そして今、僕も音を鳴らす
音に振るわされた体は
遅れて感動に打ち震え、共振する
宇宙の大きさにも敵うくらい
遠くへ…
響け、恋の音
4人で揃って教室に入る。
どう考えても男子3人がサボっていることを示しているがこの教室ではその光景はサボりなんかよりもずっと大きな違和感を意味していた。
「橘、小橋、桐谷、お前らまさかサボってたんじゃないだろうな」
「まさか!ちゃんと保健室まで送ってましたよ」
「その割に喪黒も元気そうだが?」
「そりゃあ、僕らが頑張って…なぁ」
「そうなんです!先生!ただ誤解を解いてただけなんです!」
多分これはやらかしている
完全に私だけが浮いている
しかしもはや後には引けなかった
同じように“私”も覚悟を決めた目をしていた。
「そこに少し仲裁で入ってたんですよ、なので勘弁してくださいよ先生」
口を開きかけた“私”を制止して橘がそこをまとめる。
この瞬間、教室がざわついた。
正体不明の違和感はこの授業が終わるまで続いた。
一部の女子ではその日中その話題で持ち切りになっていたようだが。
「あんたさぁ、何なの?さっきの態度」
予想通り彼女達は“私”に突っかかる。
傍から見ているとセリフも何もかもが典型的すぎてもはや笑みすらこぼれる。なぜならこの後、
「やめてやってくれ」
そう言って橘が現れるのだから
何の冗談だろうか、いつもは私をいじめていた女子共が味方だと思っていた男に裏切られる。
しかもそれによって守られるのが“私”だなんて
しかし同時に私もかつてないほど滑稽だった。
自ら望んで体を入れ替え、復讐の機会を伺って
そのうちにあろうことか“私”が救われてしまう
それも自分が復讐しようとしていた相手に救われたというのだからどうしようもない。
思わず笑みがこぼれてしまう。
“これで復讐が終わっていいのか?”
体が私に問いかける。
“受けた屈辱は1度救われたくらいで報われるのか?”
かつて私の体にあった傷の位置が痛む。
いや違う、これは彼の傷だ…
『桐谷君の…復讐心だ…』
頬を伝う涙に禍々しい熱がこもる。
to be continued…
遠くに行ってしまったきみのこと
わすれないように
きみを心の中に溢れさせてしまったから
突然きみの帰りを知ったわたしは
強くなってしまった好意の渦の中
ただきみにあいたいが止められない
急に怖くなった。
私と生まれ持つ染色体の異なる人々が。
でも別に何かされた訳じゃない。
では何故。
思いつく原因は……
意図せず、すれ違ったから?
苦手なのに、眼を合わせなきゃいけなかったから?
少し年上だから?
自分よりも大きいから?
距離が近い時間が長かったから?
それが両側ともそうだったから?
圧を感じたから?
優しいじゃんか。あの人たちは。なんで。
この気持ちは、一過性のものだと信じてる。
きっと翌朝には、何事も無かったかのような私がそこにいる。