僕は蒼乃。
みんなと仲良くなりたくて、積極的に話しかけてる。
でも、みんな僕を怖がったりしたり逃げたりしていくんだ。すごく悲しい...。
ある日、友達に聞いてみた。
「なんでみんな、僕のことあんなに怖がるんだろう？」
「あいつらは人間だからだよ。俺らは死神、あいつらの魂を奪う役目がある。人間に話しかけるなんて、お前も物好きだよな～」
ニンゲン？初めて聞く言葉に動揺する。
僕とあの人たちは違うの？
あの人たちとは仲良くなれないの？
急に、胸元のベルが鳴った。
ああ、もう行かなくちゃ。
諦めないよ、ニンゲンと仲良くなることは。
後ろ髪を引かれる思いで、仲間の住む場所に戻った。
別に彼らに会いたくない訳ではなく、たまたま先に駄菓子屋に行きたい気分なのだ。
もちろん、駄菓子屋で用を済ませたら、真っ直ぐショッピングモールへ向かうつもりだ。
さて、何を買おうか…と考えながら歩いていると、不意に目の前に人が現れた。
「！」
わたしは思わず足を止める。
「やぁ」
目の前の少年は気さくに話しかけてきた。
「ちょっと良いかな？」
急に少年がそう尋ねてきたので、わたしははぁ、としか答えられなかった。
「…なぁ、少し俺と話さない？」
「は？」
わたしはついポカンとする。
「は、話すって…」
「まぁちょっとお喋りするだけだよ」
少年はそう言ってわたしに笑いかける。