どこにでもありそうな小さな喫茶店が入る建物の屋上。
そこにふわりと黒い人影が降り立つ。
黒い羽を生やした”それ“は、屋上に降り立つとともに背中の羽を消した。
そして屋上の塔屋に入って行った。
「…」
屋上の塔屋の中の階段を下り、黒い人物は物置のような部屋に入っていく。
部屋の中には古びたテーブルがあって、その周りでどこか異質なコドモ達が談笑していた。
…と、黒い人物に誰かが勢いよく飛び付いた。
「ナツィ‼︎」
おかえり〜と金髪に角が生えたコドモが黒い人物に抱きつく。
「おやつ買ってきた⁇」
金髪のコドモは笑顔でそう尋ねる。
「…一応」
それはいいからとりあえず離れろ、”キヲン“と“ナツィ”と呼ばれた黒い人物は言う。
夜が更ける…
僕が電車で過ごす2時間は
街の喧騒を奏でた
大きな背中とともにある。
でも電車を降りるとそこは
静まり返ったいつもの街
通る車は割増と表示されたタクシーくらい、
僕は思いきって車道のど真ん中を堂々と歩く。
あぁ、この道ってこんなに広かったんだ
夜にしか出会えない街の姿に
不思議な感動を覚え
虚空に響く吐息に
不思議な感慨に耽る
我に帰れば全てが寂しさの表裏一体なのだ
何だか勝手に手が動く。
といっても何も目的はなく、結果はない。
大好きな音楽を失い、はや一年。
心は空白でしかなかった。
あのメロディーと、歌詞と世界観と。
すべてが愛おしくって、涙が出る。
世界が、洗脳されてしまったんだ。
『音楽は悪魔だ』
そんな言葉を繰り返され、世界は音楽を嫌い、音楽を作り発信する者は何らかの形で罰せられるようになった。
世界から、音楽が消えた。
僕が老いぼれてヨボヨボになった時
きっと今頃の事を思い出して言うだろう
「あの頃は良かった」
この惑星はもうただの粘土と化して
今頃きっとビッグバンを思い出し言うだろう
「あの頃は良かった」
僕は偶然に恋して
何億回と星を産むだろう
そして現世と駆け落ちする
炭酸も抜けたコーラで口が怠くなる頃
隣の奇跡に一目で惚れて
何億回と星を産むだろう
ラララ 二度と死ぬことは無いだろう
何故なら宇宙のエナジーは万物と恋に落ちる
ららら ラブレターは二万光年先からの信号
君には死んでも亡くならぬ恋があるか?
東向きの窓から優しい朝日が差す
鳥のさえずりと生活音
布団の中で朝を迎える
顔を洗って
その冷たさに思わず笑う
「あぁ、もう冬なんだ」と。
いつも通りの朝に冷たさを添えて。
でもその中にも暖かさもあって
それは例えば
「行ってらっしゃい」の声だったり
「おはよう」の声だったり
笑い合う毎日だったりする。
寒いからこそ、その暖かさに気づけて
苦手だけど、大切な1/4
「じゃあ、いってきます」