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籠蝶造物茶会 Act 3

とある住宅街の屋根の上。
黒い人物が静かに佇んでいる。
何をするまでもなく黒い人物、もといナツィは白いぬいぐるみを抱えて立っていた。
…と、ちらと背後を見た。
その瞬間、何かがナツィに襲いかかってきた。
「!」
ナツィはすんでの所でそれを回避する。
「…」
見ると何体かの精霊が宙に浮いていた。
「…何で急に」
学会の手の者?とナツィは心の中で首を傾げる。
「とりあえず」
やるしかない、とナツィはぬいぐるみを建物の屋根の上に置いて、どこからともなく黒鉄色の鎌を出した。
「…」
襲いかかってくる獣型の精霊に対し、ナツィは大鎌片手に突っ込む。

0

今できること

僕にしかできないことなんて
きっとどこにもない
必ずどこかには代わりがいて
僕が背負う必要なんてどこにもない
もしかしたらその代わりの人は僕なんかより
よっぽどよくできる人かもしれない
それでも
それでも今、この場で手が届くこと
その場に居合わせられることこそが
僕にだけ与えられた
「僕にしかないもの」なんだ!
そう信じて
そう自分に言い聞かせて
今日も手を伸ばすんだ!
たとえどんなに不格好でも

2

うれしいときもかなしいときも

嬉しいときも悲しいときも
君を見てるとこころが騒ぐ

喉から何かがつきあげる
今すぐ吐き出してくれって

もろとも愛で縛りあげる
そんなつもりで君に触れる

こんなに悲しいのに
嬉しいときと同じこと しようとしてる

悲しいときは したって悲しい
嬉しいときは したって嬉しいのに

たまにする時、悲しくなる、
悲しくなって したくなる。