物語は愛知に住む17歳の女子高生あやめと
同じく女子高生のりさ、かりん、みつき、さくらが
全国演劇大会に出場すべく日々葛藤していく
物語となっています。あやめの呼びかけのもとに
集まった寄せ集めの演劇団からどうやって全国の舞台へと降り立ったのかが魅力になっています。
気になる初回は明日アップしますので
ぜひよろしくお願いします!
どこにでもありそうな喫茶店の2階。
その物置で、かすみはせっせと掃き掃除をしていた。
というのも、この物置はかなり汚いのだ。
一応テーブルの周りだけは片付けてあるものの、それ以外の場所はよく分からないアイテムで散らかっている。
ついでに埃も溜まっているため、常に掃除しておかないと大変なのだ。
「…」
かすみが無心になって掃除する中、傍のテーブルではキヲンと露夏が談笑していた。
楽しそうで良いな、と思いつつ、かすみは掃除を続ける。
…と、ばたんと物置の扉が開かれた。
「あ」
かすみがふと見ると、そこには青い髪のコドモがいた。
「ピスケス」
ピスケスと呼ばれた人物は物置に入ると辺りを見回した。
「…あら、アイツは?」
「あぁ、ナツィのこと?」
かすみはそう答える。
朝、SNSをみていると、1つの投稿があった。
音楽は罪です。それは私をどんどんハマらせる罪です。被害者がたくさんいるでしょう。でも、そのほとんどは隠れています。音楽を口にしてはいけないし、聴くことができないからです。私たちは戦います。音楽を救うために。音楽を「歴史上」にしないために。
私は寝起きだということを忘れ、立ち上がり、同じように宣戦布告をした。
「#音楽を取り戻せ」が一時トレンドになった。こんなにも同志がいたんだと感銘をうけ、不安をどこかに吹き飛ばした。
希望がどんどん膨らむようだった。
「…復讐代行を」
あえて一人称は俺にしてみた。
ほんとに気づいているならこれだけで誰への復讐なのか、そして橘なら何をするのか想像がつくかもしれない
「信じてくれたようで嬉しいよ、しかし復讐代行?一体何をする気だ?」
さすがに買いかぶりすぎた。しかし思ったより話は早く進みそうだな…
「ここまでのことどこまで想像がついてる?俺と闇子のことから…あいつの狙いは?わかるか?」
「闇子ちゃんの…狙い?罰告のやり直し?いや、だとしたら俺や小橋を巻き込む理由はない、わからん」
なんだ?まるでとぼけたかのような返信だ。
「わかった、じゃあそこから話そう」
「助かるよ」
即レス…待たれているのか?
疑ってしまうのは悪い癖だ。
「最初に闇子の目的は、ヒエラルキーの崩壊だ。それを踏まえて話を聞いてくれ」
そうして俺の目線でことのあらましを説明した。
「このままじゃ俺は捨て駒にされかねない、そして駒を失えば計画は必ず失敗し、下手をすれば強硬手段に出かねない」
「それは避けたいな」
「だから今のうちに止める」
実際は俺自身が過去にケリをつけたいだけだ。
いじめというものとの自分の繋がりを断ちたい。そういう意味では闇子の計画に乗っているのは悪くなかった。けどそれ以上に橘につく方が分が良い。
「わかった、協力しよう」
橘ならそう言うとわかっていた。
「助かるよ」
これでいい。これで誰も傷つかない。
体に情でも移ったかな…
闇子さえ救いたいと思えてきた。
そう思い右手で体をなぞる。
あの傷が…疼く。
やっぱり俺のとは違う…
こいつはきっと体より、心を壊されたんだ…
そこまで思考が行き着いた途端、体から溢れてくるように頭にひとつの予感がよぎる。
「!?…急がなきゃ…あいつは…死ぬ気だ…」
to be continued…
彼女を宿まで送った後、男2人で談笑しながら帰る
「関東甲信越で見ておきたいもの、無いか?旅程を考えると、この辺で行きたい場所巡れるのはあと1週間しかない。その後はひたすら西進して福岡まで行き、そこで彼女さんを家に送り届けてから南下して鹿児島、船で那覇、その後石垣まで別の船で行って乗り継ぎ基隆、南下して台北、新竹、嘉義、台南、高雄まで行き、高雄で運転手交代して一度墾丁まで南下し北に行き台東、タロコを見てそこから北上して宜蘭、礁渓の温泉で休んで桃園からチャイナエアCI703便でアキノに飛んで船を乗り継いで更に南下して最終的には『南の旅順』まで行くルートにしてる」と言われ、呆気に取られるが「南の旅順…オーストラリアはタスマニアのポートアーサーか…かなり遠いな…航路メインだと帰国するのは一年くらい先か?」と訊く「そうなんだ。だから、この辺で行きたい場所、見たいものを知りたくてね」と返され、彼女にしか見せないはずの笑顔で「俺が日本で見ておきたいもの、それは彼女の笑顔で、関東で見ておきたいのは銀座のパレードだ」と返す
「巨人ファンなら当然か」と言って向こうも笑い出す