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タイムジャック7

「お前が…俺の術のタイミングをズラしたのか…」
智也は歯を食いしばりながら言う。
「察しがいいな、一瞬お前の時を止め、俺のいた位置にこいつがいるタイミングで解除した。そうすればお前の術はこいつに当たる」
やっと思い当たるシーンが浮かんだ。
あの時の…あれは俺への時間停止じゃなかったのか…
あれをかわさなければ…
いや、そうすればその時点で捕まっていたか
「言っただろう、ここでは能力が全てだ、能力を使う、かわす、そんなことは猿でもできる。大切なのはどう使わせるかだ、自分の術だけじゃなく、相手も使う。正しく支配者だ」
う…ウザイ…
しかし、言っていることは事実だ。
相手の思うようにやられた…
ここからどうやって…
俺たちは今、2人ではなく1人が2つあったに過ぎない状態…どちらかが利用されるのは必至。
ならどうやって…
今更こいつと仲良しこよしとかごめんだし…
でもそれじゃ…勝てない…
変わらなきゃ…いけない…
「なぁ智也、お前もう隠してることないよな…」
「さっきので最初で最後だよ、言ったろ、守を貶めるつもりはなかったって」
相手から目を離さないため、智也の顔は確認出来ないが嘘をついていないのは十分伝わった。
「オーケイ…ならこっからは息合わせていくぞ…」
「OKっていうか、元々そのつもりだったけどね」
心なしか、さっきよりも会話のテンポがあってるように感じた。
「作戦会議は終わったか?」
「あぁ、こっからは第2ラウンドだ」
「かかってこい…」
相手は左手でこちらを誘っている。
「いくぞ!」「うん!」

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コンセプト

ポップで居たい。
定期的にそう思う。
ポジティブすぎるのも時に疲れてしまうけど
ネガティブすぎるのもどうなんだろう。
というか
闇を描いた、を免罪符に描く世界は
誰かの、何かの、悪口みたいになってない?
結構悩む。ずっと悩む。結局答えは出やしない。
でも私は、やっぱり文字に残すなら
暗く、冷たく、辛い時でも
ふっと笑ってしまうような
優しい、優しい世界にしたい。

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理外の理に触れる者:海殺し その④

水のコンパスを眼球の無い顔で見ながら、ひたすら砂の上を歩き続ける。あいつが話さなくなったせいで、実に退屈な作業と化している。鬱陶しいだけだと思っていたあいつも、結構大きな働きをしていたわけだ。
「おい怪獣」
不意に声をかけられた。声のした方に目をやるが、砂しか見えない。
「こっちだって」
そっちを見てるんだが。
「…………ああ、そういえばそうか」
目の前の砂の塊が突然崩れ、その下に偉そうに膝を組んで座る少女が現れた。
「やあ、良い天気だな?」
少女が話しかけてきた。とりあえず何も言わず睨み返しておく。
「……何だよぅ、返事くらいしてくれても良いんじゃあないの? 私、女王さまぞ?」
「ハァ?」
「お、喋った。ただの怪獣じゃないみたいだな?」
「誰だお前。女王だァ?」
「うん。異能は『無生物の支配者』、人呼んで“無命女王”。それが私だよ」
「へえ、知らない名前だ」
「怪獣よー……もっと周りの異能者に興味持て? 私、ここら一帯のボスみたいなものぞ?」
「へえ、そいつは知らなかった」
「……まあ良いや。私は用事があって忙しいんだ。その代わりに、ほれ」
周囲の砂が浮き上がり、矢印の形をとる。コンパスが指すのとはちょうど90度ほど進路がズレていやがる。
「この砂漠は、異能者が創り出したものだ」
「ンなこたァ分かってんだ」
「お前、行って止めてこい。日差しと乾燥は身体に悪いからな」
「悪いが、こちらも用事があってな」
「そっかー……」
無命女王とやらがこっちに指を差してくる。直後、手の中の水のコンパスが弾け飛んだ。
「あッ! おま、何しやがった!」
「水源なら連れて来てやる。そいつ置いてさっさと行かんか」
奴が地面を指差すと、砂の地面に小さな穴が開き、結構な勢いで水が噴き出した。地下水だったとしても透明すぎる気がしないでも無いが、まあ異能の影響だろう。
「これでそいつも平気だろう。早く行って来い」

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ずっと

怖い怖い怖い
貴方のその考え方、貴方の見つめるその世界
寒い寒い寒い
貴方のその表情、貴方のその発言
痛い痛い痛い
貴方のその視線、貴方のその姿勢
嫌い嫌い嫌い
何故か貴方を受け入れられなくて拒み続ける私自身

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大人になれた

お父ちゃんがビールを飲んでいる隣で

私は麦茶をゴクゴクと飲んでみた

ビールを知らない私は

ちょっと大人になれた気がした

(妄想です)

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今日だって

もっと明るく居られたら。
もっと優しく居られたら。
もっと笑顔で居られたら。
あの子みたいに、あいつみたいに。
なってみたいと夢を見る。
わたしはわたしで貴方は貴方。
もちろんそんなの分かりきってる。
でもね、羨ましく、輝かしく見えちゃうんだ。
同時に、疎ましくも感じちゃうんだ。
そんなこと、思ったことないでしょう?
純粋で、まっすぐな貴方はさ。

わたしにないものを持つ君を
ただただ愛せたらいいのにな。
だけど、こんな汚い感情を持つ、
君にはないものを持つわたしには
そんな資格はありゃしない。
だから今日も、
羨望の混じった冷たい目で貴方を観る

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タイムリミット

目を閉じていちにぃさん想像の君がわらう
目を開けてぜろいちさんにぃ揃ってくる時系列
言いたい言葉はやっぱり言いたくなくて
きっと君も聞きたくなくて
まやかしにすら打ち明けられない
また困らせてしまう
まだ困り果てている
貴方を護りたいけど
見捨てたいのかも判らない
本当に良くないとわかるんだ
2年間ひとりで抱えてきたの
私だけじゃ非力なの
貴方が好きなの