「アンタは知らなくて良いし、ボクも語るつもりはない」
ネロはそう言ってわたしを睨みつける。
「…」
わたしは思わず閉口する。
「確かに」
コイツが知ってどうするって話だしな、と耀平は頭の後ろに手を当てる。
「え、皆は知ってるの?」
わたしがつい聞くと、あとの3人はまぁな、とかおう、と答える。
「何せネロとは2年の付き合いだしな」
知ってるも何も、と耀平は得意気に言う。
「まぁ何だかんだで知ってるよな」
師郎はそう言って黎に目を向ける。
黎は静かにうなずいた。
「…そうなの」
聞いていて、わたしだけ仲間外れのような気がして寂しかった。
でもそれも無理はない。
だって彼らとわたしはまだ出会って数か月しか経っていないのだ。
知らない事があっても仕方ない。
ああ言えばこう言う。
こう言えばああ言う。
そんなの終わりは来ないでしょう?
こんなの誰のためにもならないし。
ああ言ったあの子も
こう言ったあなたも
本質的にはあんまり変わらない。
誰のことも救えてない?
正義とか悪とか
知ったような口きくわけじゃないけれど
区切るようなことでもないけれど
本当に価値を下げているのは、誰?
傷ついているのは、誰?
傷つけているのは、誰?
手探りで探した
沢山探したんだ
貴方の文字
沢山あった
いっぱいの笑顔 私の知らない貴方の横顔
ずっと見ていたかった
誰に宛てたかは分からなくてズキンっと
ドキンっとして甘い恋とはこの事なのですか?