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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ⑯

「そ、それってどういう…」
「いや、電話かけてもメッセージ飛ばしても返事が来ねぇんだよ」
耀平が呆れたように言う。
「アイツ、一体どうしたのか…」
耀平はそう言ってウィンドブレーカーのポケットに手を突っ込む。
「他の皆は知らないの?」
わたしは師郎に目を向けたが、彼はいいやと首を横に振るだけだった。
「そっか…」
わたしはそうこぼしてうつむく。
「…情報屋のミツルにも聞いたけど、この1週間ネロを見たって奴はいないらしい」
ポツリと耀平が呟く。
「アイツは今家にいるのか、それとも…」
耀平はそう言いながら下を向く。
「ねぇ耀平」
わたしは気になる事があったので、思わず耀平に話しかける。
「ネロとあの子…”オーベロン”て子との間に、何があったの?」
わたしがそう聞くと、途端に耀平は眉をひそめた。

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ふと

モノによるし人の状況や気持ちを慮るの大事だけど
他人に対して不幸だとか(つらいだろうね、かわいそうに、、)みたいな目で見るのって
自分の価値基準で相手を自分の下位に位置付けることで自我保ってるのかな?と思う時がある。

不幸でもなんでもなくその人のデフォだったらどうすんだ。
その人はそれで幸せかもしれない。
何も思ってない、いつも通りかもしれない。

幸せかどうかとか恵まれてるかどうかって
その人自身の絶対的価値でしかなくて
相対評価や人から見てどうとかどうでもいい領域だなーと。

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エモいね。

エモいね、だなんて
そんな簡単な言葉じゃなくて

脳内処理出来ないくらいの寂しさと胸の鼓動との調和から出てくる感情の一つなんだ

顎紐が伸びきったくしゃくしゃな赤白帽を深くかぶり
朝礼台に二人並んで見た夕日がそれだ