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やばい

スマホ割っちゃったー!
最悪だー!
どうにか方法はないのだろうか?

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アイスクリーム

 こーんにーちわー。ほんとあのコ可愛いよねっつってから、らぶたんも可愛いよ、または、らぶたんのほうが可愛いよってゆーセリフを待ってたけど言われなかったJKのらぶたんだよー。
 ところでみんなゎアイスクリームにウエハースをそえるのって、どうしてか知ってる?
 そーだよー。冷えてマヒした舌をリセットして最後まで美味しく食べるためだよっ。
 って、はあ?
 実際アイスクリーム食べてるとき、よさげなころあいでウエハースかじってみたことあるけど大して変わんなくない? むしろ口んなかぱさぱさになっちゃってアイスクリームの食感邪魔するだけじゃない?
 言われてみれば、じゃね?
 ほんとのこと教えちゃうね。
 ある日ぃ、アイスクリームを売ってたぁ、あたしのおじいちゃんのとこにぃ、知り合いのウエハース受託製造メーカーの社長がぁ、注文がなくて困ってる。よかったらアイスクリームと一緒に出してみてくれないかって言ってきたのぉ。
 おじいちゃんはしぶしぶだったみたいだけど、やってみたらおしゃれなものに敏感な層にばかうけ。それが広まって現在にいたってるってわけ。
 なんてね。うそうそー。
 そもそもウチのおじいちゃん、アイスクリーム売ったことねぇし。
 あ、ところでこのエピソード、きいたことある?
 コーンにアイスクリームをのせるようになったのゎぁ、アイスクリーム屋さんがアイスクリーム売っててぇ、アイスクリームのせる紙皿がなくなっちゃったときにぃ、隣のワッフル屋さんの人が紙皿代わりにワッフルで巻くのをすすめたからってゆーやつ。
 これはほんとだよー。
 かなぁ?
 アイスクリームの量に見合った数の容器用意してないなんてずいぶん間抜けな話じゃね?
 商売人として失格じゃね?
 いったい何が言いてーんだって?
 もっともらしい説をすぐうのみにしちゃ駄目だってことをるなは言いたいのだ。かといってやみくもに疑うのも駄目。疑ってみてちゃんと考えて、妥当だってこたえを選ぶのがベストなんだよっ。
 それじゃこのへんで。バイビー。
 閲覧数は少ないわいいねはないわですさんでいたのでJKを装ってブログを発信したら、いいねが100万件ちょっと。コメントが30万件ちょっとついた。

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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ⑲

「奴の異能力…”オーベロン”は、”一定範囲内の他人を思いのままに操る”異能力だ」
奴はそれを使って、意のままにクラスメイト達を操った、と耀平は続ける。
「そしてネロを排除しようとした」
耀平は淡々と言う。
「最初は単に仲間外れにする所から」
最終的には悪質な嫌がらせ、陰口へとエスカレートしていったんだ、と言って耀平はイスの背にもたれた。
「…先生は、どうしたの?」
クラスの皆がそんな事してたら、先生も気付くんじゃないの?とわたしは尋ねる。
「どうやら先生はちゃんと取り合ってくれなかったらしい」
もっとも、先生もオーベロンに操られたらしいが、と耀平は付け足す。
「親もちゃんと取り合ってくれなかったみたいで、だんだんネロは追い詰められていったんだ」
そこまで言って、耀平は頭の後ろへ手を当てた。
「…それで、最終的にネロはどうしたの?」
わたしが恐る恐る聞くと、耀平はこう答えた。
「いじめに耐えられなくなって、アイツは学校に行くのをやめた」
最初は親に滅茶苦茶文句言われたらしいけどな、と彼は言う。

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新体操の妖精

 空腹で、変な時間に目を覚ましてしまった。ミネラルウォーターをひと口飲んで、再び眠りにつこうとしたが、全然眠れない。朝練があるのに。寝不足でけがをして、やめざるを得えなくなった娘のことを思い出す。
 太りやすい体質なのに、どうして新体操なんてスポーツを選んでしまったのか。スープが残ってないかと望みをかけ、キッチンに降りる。ない。母は若いころバレエをやっていたから体重管理に協力的なのだ。誘惑に負けて食べてしまわないように、大会が近づくと残りものは基本的に全部捨ててしまう。インスタント食品のたぐいも、置かない。着替えて、そっと家を出る。
 缶のスープと栄養補助スナックを購入し、自動ドアから一歩足を踏み出したわたしは凍りついた。セーラー服を着たおじさんが、街灯の下に立ってこちらをじっと見ていたからだ。
 踵を返し、店員さんに助けを求めようとしたが、なんと言ったらいいのかわからない。何かされたわけではないのだ。
 雑誌を物色するふりをして、外の様子をちらりとうかがう。おじさんは、こちらをじっと見ている。ターゲットはわたしだ。決意を固め、店員さんに近づく。
「あの。すみません」
「はい」
 よさそうな人だ。勢いづいてわたしは続ける。
「外に、変なおじさんが立ってて」
 店員さんがレジから身を乗り出し、外を見る。
「誰も、いませんけど」
 一応警察に通報しておきます、と奥に消え、戻ってきてからほどなくして、パトカーがやってきた。一緒におまわりさんに説明すると、無線で何やらごにょごにょ言って去った。
 怖かったが、いつまでもコンビニにいるわけにはいかない。わたしは店員さんに礼を言って家路についた。帰宅すると、結局スープとスナックには手をつけず、気絶するように眠ってしまった。
 そんな出来事から三か月、インターハイで、わたしは優勝した。初出場で個人が優勝するのは十年ぶりの快挙だそうだ。
 興奮さめやらぬわたしの耳元で、コーチがこう言った。
「あなたも見たのね。セーラー服おじさん」
 わたしは微笑むコーチを見返し、驚くのと同時にがっかりした。このまま続けていても、せいぜい高校新体操部のコーチで終わるのだ。

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一石を投じる

ガシャン、というより
グシャ、という音がして。
コンクリに叩きつけたスマホから
最後の声が聞こえて、笑った。

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すずめの宿

 小鳥のさえずりであなたはゆっくりと目覚めるはずだったのだが、掃除機のモーター音で強引に起こされた。
 わざわざアンリーズナブルな山奥のリゾートホテルを選んだのに、これじゃあビジネスホテルと変わらない。
 いらいらがおさまらないあなたはガイドを断り、山道に向かった(ホテルの企画のメインが、地図から消された旧道をゆくなのだ)。
 案の定、迷った。方向オンチのあなたには無謀すぎる選択であった。
 かなり長いことうろうろしてへとへとになり、朽ち木に腰かけて途方に暮れているとそこに、すずめがやってきた。
「ヘイヘイへ〜イ。こんな所でどうしたんだい彼女」
「迷子なの」
「そりゃあ、いけないね。どこから来たの?」
「〇〇リゾート」
「関東の人?」
「うん。東京」
「仕事は何してんの?」
 うぜえすずめだなと思い始めたあなたはぼそっと、「医療関係」とだけ言って立ち上がった。
「ホテルまで送ってあげようか」
 やや躊躇してからあなたは、「いいの?」とあえてすずめと目を合わさずに言った。いまさら説明するまでもないが、あなたはプライドが高いのだ。
 先に立ったすずめは羽ばたいたりホッピングしたりを繰り返しながらたまに振り返り、しきりに話しかけてくる。
「ガタイいいよねえ。大きくなる人に共通してる要素は栄養状態じゃなくてけっこうな年になるまで寝る時間が早かったってことらしい。子どものころ、深夜番組なんて見たことなかったでしょ? いまでも見ない?
 医療に従事する人たちって社会に貢献してる、いいことをしてるって意識が強いから傲慢だよね。権威に評価されることをモチベーションとして勉強してきた人たちだから自分がない。いや、もともと自分がないから権威に従順なのか。自分があるからいろんな価値観を吸収できて、謙虚になれる。僕はそんな視野のせまい人たちに命を預けたくないなあ。あ、着きましたよ」
 すずめが翼で指し示した先に見えたのは、木造三階建ての、大正ロマン漂う温泉旅館だった。なぜ温泉旅館だとわかったのかというと、あちこちで湯気が上がっていたから。
「すずめのお宿です」
 悪びれる様子もなく、すずめは言った。
「……カード使える?」
「もちろんですとも」
 宿は、とてもよかった。あなたは一週間滞在し、ごきげんな気分で都会の喧騒に戻った。

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相反する

みんなより少しばかり早いけど
もうすぐ私の第3章が始まる
散り始めた桜並木に見守られ
真新しいローファーと共に一歩を踏み出す
一昨日届いたばかりの制服は
思いのほかぶかぶかで
一緒に成長してくんだろうな、と思う
間近に迫ったスタートは
不安と一緒にワクワクも連れて来た
気持ちの天秤はゆらゆら揺らぎ
どちらとも言い難い今日だけど
出来るだけ早く
出来るなら今直ぐに
"楽しみ"の方に傾いて欲しい