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Bluespring

春生まれの君には似合わないけど
僕の歌うBluesがこんなに好きなんて知らなかった。

紫色のライラックが1番似合う、愛しいLila.
僕の思いは君の名の下に。

できれば、僕の青色なんて混ぜないでほしいけど
君が拒まないなら、僕の青をあげる。

ライラックの香りが1番似合う、愛しいLila.
これ以上君が沈まないように、僕が助けてあげる。

もし、沈んじゃったら
どうか僕をライラックの花道に連れて行ってね。
もちろん、僕と君の色に染まったライラックなんでしょ?

そうしたら、僕の憧れてた君と永遠に一緒。

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櫻夜造物茶会 Act 1

ふわり、と建物の屋上に青髪の人物が舞い降りる。
建物の屋上に着地すると、その人物の背にある翼は消えてなくなった。
青髪の人物はこつこつと高いヒールの音を立てつつ屋上の塔屋の扉を開ける。
そしてその中の階段を降りていった。
「…」
階段を降りていくと、広々とした物置に出た。
物置の中ではどこか異質なコドモたちが古びたテーブルを囲んでいた。
「あ、ピスケス」
古びた椅子に座っている金髪にツノの生えたコドモ、キヲンが青髪の人物に気付いて声を上げる。
他の皆も一斉にピスケスに目を向けた。
「あら、皆お揃い?」
ピスケスがそう言うと、暇だからな、とキャップ帽に赤髪の人物、露夏が言う。
「お前も暇そうだな」
露夏が笑うと、ピスケスはそうでもないわよと返した。

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あな。

かなしひ。
彼のものはゐなひのではないか。
否。
吾の心にゐるのではなかろうか。

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Bluespring

とある町に伝わる都市伝説。
町外れにある林のどこかに、「アオハル池」と呼ばれる小さな池があるという。
『青春』をその名に冠するその池は、好き合う2人で覗き込めば幸せのままに結ばれ、恋に悩む者が真夜中に覗き込めば、恋の行方が月明かりに照らされて水面に映るという。

―――というのは、飽くまで表向きに流された全くの嘘の噂。
その池、否、泉は真実を知る者の間では「陰鬱の泉」と呼ばれている。
深夜2時から3時の間、その泉には決して近付いてはいけない。その泉を覗き込んだ者は、例外なく「今すぐ死にたい」という考えに囚われてしまうとか。
そうなった人間が目の前にある、「水深数十㎝の水源」を見て何をするのかは、言うまでも無い。


―――何故そんなことを知っているのかって? 本当に知りたい?