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さみしさ

小さなころのおもいでを
肺から順に汚してしまう

安心と眠気をまってる
そんな夜、あるはず無かった

少年時代 変身しちゃったよ
革のベルトで大人になって
さみしさ 頬張ったビタミンC
いつも合理的 そんなことばかり

小さなころのよろこびに
少しずつ名前をつけていく

安心と眠気をまってる
退屈に感じる 忙しい夜

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告白(仮)

初小説(?)書き込みです
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諸君は"告白"されたことはあるだろうか。
通常、"告白"というのは誰かが誰かと共に時を重ね、苦労を乗り越え、心を通わせているうちに心惹かれ、初めて成立するものだ。少なくとも僕の場合はそういうものであると勝手に思っていた。
いや、時にドラマやアニメで見るナンパ性な人間もいるだろう。1セリフをとっても軽い口先だけの言葉を扱う人間達だ。
しかしそれは所詮、クラスの中心に立つような人間だけの領域。友人達となんてことのないことで笑い合い、日々を楽しむことができるような。
僕達のようなゴミ溜めの中に捨てられたぼさぼさの負け犬が経験できるような経験ではない。
はずだ。
はずだった。



突然現れた彼女はこう言ったのだ。
ーー  1ヶ月間付き合ってください。


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CHILDish Monstrum:或る離島の業務日誌 その⑥

キュクロプスは迷いない足取りで村落の中を突き進み、一軒の民家に扉をノックすることも無く入っていった。
キュクロプスの後を追ったものか、しかし不法侵入するわけにもいかないと逡巡していると、数分ほどしてまたキュクロプスが出てきた。
「あ、キュク……」
キュクロプスは、まるで私のことが見えていないかのように横を素通りして、またどこかへ歩き出した。
目的地はまた別の民家のようだった。そこからも数分ほどして出てくる。そしてまた別の民家へ。
それを何軒か繰り返し、また島民と交流して、作業場のある丘陵に引き返していった。
帰りは、行きで通ったのとは反対の斜面を登る。そちら側は、一面に何かの果樹が植えられていた。
住居に帰ってから、キュクロプスはまず小屋の方に入っていった。一瞬迷ったものの、後を追って中に入る。
扉を閉じて振り返ると、目の前にキュクロプスが立っていた。手には紐状の道具を持っている。
「おじさん、動かないで」
「は、はい」
いやに重い声色に、身体が強張る。
キュクロプスが持っていたのは、巻き尺だった。それを私の身体の至る所に当て、どうやら私の身体の採寸をしているらしい。
「…………ん」
終わったようで、キュクロプスは一度私から離れ、テーブルの上のメモ帳に何かを書き始めた。

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少年少女色彩都市

「…最悪」
設楽叶絵(したらかなえ)は呟いた。彼女の住む彩市(いろどりし)は地方都市でありながら、芸術に富んでいることで世界でも有名な都市だった。しかし、それも昔の話。今は、『エベルソル』という怪物が、暴れてはこの都市から芸術を奪っていく。叶絵を容赦なく叩き起こした轟音は、エベルソルが暴れて出している音だ。
「どうしよう…」
エベルソルというのは、芸術という概念を壊すだけではなく、建物も壊すらしい。幸い叶絵と妹の湖恵(うみえ)は被害を受けたことはない。叶絵が震える手でカーテンを開けると、凄い勢いで何かが叶絵の部屋の窓に向かってきているのが目に入った。
「きゃあっ!?」
思わず素っ頓狂な声をあげて仰け反った叶絵の目の前で、薄紫色のふわふわした豪華な装飾付きのワンピースを身に付けた少女が窓を割って入ってきた。
「ああっ、もう!!」
少女は舌打ちをして、ポケットからガラスペンを取り出した。小さくひびが入ってしまっているのを見て、少女はもう一度舌打ちすると、ようやく叶絵に気付いたようだった。
「…あ、ごめんね?」
「あっ…あなた…誰ですかぁ!!」

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CHILDish Monstrum:CRALADOLE おまけ 3

「CHILDish Monstrum:CRALADOLE」のおまけ…というか解説編です。

〈このエピソードを書いた経緯〉
企画主催者として、自分が作った企画で皆の手本になるよう作品を作らなければいけないということで、元々この企画の物語を自分の中であれやこれやと動かしていた時に使っていたキャラクター・舞台を使って物語を作ることにしました。
本当は自分が作ったキャラクターは色々いるのだけど、今回は主役っぽさのある「クララドル市」のモンストルムたちを中心に話を作りました。
今回執筆するにあたって「メインキャラ全員に見せ場を作る」ことを目標に書いていました。
残念ながら全員に平等に見せ場を作るのは難しく、デルピュネーだけ怪物態を出せなかったりしたのは心残りです。
また、主役はゲーリュオーンのつもりなのに気付いたらイフリートが主役みたいなことになってしまいましたね(笑)
ちゃんと完結できるかどうか怪しくなったりもしたけど、無事に書き切って投稿し終えてよかったなと思います。