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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ③

「たまたまこの辺を通りかかっただけだよ」
ねー穂積、と短髪の少女は側に立つ長髪の少女こと穂積に目を向ける。
しかし穂積は嫌そうにそっぽを向いた。
「あーちょっとそんな顔しないでよ~」
短髪の少女はそう言うが、穂積はそっぽを向いたままだった。
「何やってんのコイツら」
「夫婦ゲンカじゃね?」
耀平と師郎はお互いに顔を見合わせる。
「どうしてそんな顔するのさ」
「あたしはコイツらと関わりたくないだけよ」
「えー何で~」
短髪の少女と穂積は暫くそう言い合っていたが、やがて短髪の少女はこう言った。
「そんなに拗ねてるんなら、”あの事”、この人達に言っちゃうよ~」
短髪の少女がにやけると、穂積はなっ‼と驚く。
「ちょ、ちょっと、それは…」
「はーい今から言いまーす」
「やめてやめてやめて」
穂積の制止を気にせず短髪の少女はわたし達に向き直る。
「実はこの人、あのヴァンピレスと繋がってたけど今は縁が切れたの」
「え」
短髪の少女の言葉に、わたし達はポカンとする。

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渋滞車窓

花びらにまみれた車をみて
舌打ちが微笑みに変わる
少しだけ、
優しいただいまが言えそう

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ほーりーふぁいと終わりの話

ちょっと新学年始まったので間が空きました、久しぶりな気がしますね。点Pです。
みんなは体調大丈夫ですかね…ちなみに私は咳が出ます。喉かゆい。

ほーりーふぁいとの続編書きたいんですけど物語思いつかないのでとりあえずあとがき(?)投下します。時間稼ぎです。

ティノちゃんは正直いてもいなくても…なキャラでした。感情移入しやすくなればと思って一人称視点にしてみただけなので。あんまり愛がない。

書きたいのは強キャラが小学生のような感じで喋ったりしてるところ(語彙力消失)だったんです。上手くいったかは不明。リリィとアーサーはほんとは強いんです。確かに舞台は田舎だけど都会でも通用するレベルなはず…はずです。

長くなっちゃうのでこの辺で。質問があればくれれば答えようと思います。

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なんでだろうね

作家とか、何かを作る人って、
締 切 守 れ な い
なんでだろうね

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幸せになる権利

今現在この世に生きている全ての人間には、『幸せになるチャンス』が最低1個与えられ、平等に『幸せになる権利』がある。
ただ機会を掴めなかった奴が幸せになり損ね、機会を掴まなかった奴が不幸に堕ちていくだけで。

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少年少女色彩都市・某Edit. Outlaw Artists Beginning その⑧

「……そうだ、何か芸術っぽいのが多い所行こうぜ。エベルソルってのは芸術をブッ壊すことに命懸けてる連中だからな」
「なるほどー。それなら“芸術公園”とか?」
「おっ、名案」
通称“芸術公園”。この彩市在住のアーティストが制作した彫刻などの立体作品がそこら中に乱立する市民公園。屋外ステージもあって、ちょくちょくイベントが開かれたりもする、住民たちの憩いの場だ。
「こっからだと歩いて……10分くらいか。お前時間とか大丈夫か?」
「うちは門限とか結構緩いから大丈夫」
「そうかい。じゃあ行こうか」
適当な世間話をしながら、公園に向かう。タマモ、私より2つも歳上だったのか。敬語でなくても構わないと言われたので、言葉遣いはそのままだけど。
「……さて、着いたわけだが」
「いないね、エベルソル」
「いないなァ……」
殆ど日没といった空の下、公園には数人の一般市民が見られる程度で極めて平和そうな日常風景が広がっていた。
「……もう帰って良いかな」
「そう言うなよ。10分くらい時間潰していこうぜ」
「ん」
曲線的なシルエットをした石材製の大型彫刻に登り、公園全体を見下ろす。
「……本っ当に平和。エベルソルって実在するの?」
「一応、10回くらい遭ったことはあるんだけどなァ……」
少し離れたところに立っている時計をちらと見やる。もうすぐ5時か。
「5時まで何も無かったら帰って良い?」
「良いんじゃね?」
そのやり取りを終えた瞬間、まるで見計らっていたかのように大きな影が公園に近付いてきた。
「……あーあ、フラグ立てたりするからよォ」
「むぅ、まあ戦い方も考えたいし良いか」

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シラー

「誰かが隣にいる」
そんな未来が良かったな
スタート地点は多分私だけ遠くて
誰も隣に居ない
居たとしても寄り添ってはいなくて
ゴール地点までは多分地球1周くらいあるんだろう

知らないあの子が楽しそうに笑ってる
私は一人 睨んでしまいそうで
でもそんなこと私はしたくないから
一人で立ちすくんでしまう

今頃みんなで連絡を取って
楽しそうに笑ってるんだろうな
私はその輪の中には居なくて
次あの子達と会っても誰とも話せないんだろうな

誰かと仲良くなって
分かり合ってバンドを組んで
そんな未来を思い描いていたのにな
誰も隣に居ない
居たとしても分かり合えてはいなくて
思い描いている人は一体どこにいるんだろう

知ってるあの子も楽しそうに笑ってる
その目に私は映っていない
「寂しいよ」「一緒に居てよ」なんて
言ってしまえたらいいのにな

今頃私と連絡を取ろうなんて
考えもせず笑ってるんだろうな
あの子達とはいくら待っても
私が送らないとメールも何も来ないんだろうな

今頃みんなで知らない話題で
楽しそうに笑ってるんだろうな
私の事なんてほぼ知られてなくて
次あの子達と会っても話せないんだろう

今頃私と話してみたかったなんて
言ってる人は居ないんだろうな
あの子達とはいくら待っても
話すことなんてできないんだろうな