「で、ソイツは誰なんだ?」
友達?と耀平の仲間の1人は尋ねる。
「…え、友達だよ」
耀平はそう彼らに向かって笑う。
「友達?」
ボクは思わず呟く。
「ん、どうした?」
耀平はボクに目を向ける。
「…ボクって、耀平の友達、なの?」
ボクが思わずそう聞くと、耀平は笑った。
「そりゃあもう、おれ達は友達だろ」
何聞いてんだよと耀平はボクを肘で小突く。
「…」
ボクは暫くポカンとしていたが、やがてボクの口からこんな言葉がこぼれた。
「嬉しい」
ボクの言葉を聞いて耀平は不思議そうな顔をする。
耀平の仲間達もそんな顔をしていたが、やがてその内の1人がこう言った。
その日の深夜、鳥脚使い魔は、玄龍大学の隅に建てられたプレハブ小屋の扉を叩いた。
「マスター、戻って来ました」
『……やり遂げたか』
若い男声が室内から問いかけてくる。
「はい、たしかに」
『証拠は? 首でも持ってきたか?』
「はい」
『…………見せてみろ』
「失礼します」
引き戸を開き、使い魔は1つの死体を投げ込んでから入室し、素早く扉を閉めた。
「うおっ、丸ごと……けどよくやった。ようやく邪魔者が消えてくれ……」
「へェ、ここの学生か」
「ッ⁉」
その声に青年が振り向くと、アルベドは飾り棚に鎮座していた紫水晶の球体を持ち上げ眺めていた。
「な、なんで生きて……⁉」
「そりゃ死んでねえからだろ。あぁ、ちなみにソレ」
アルベドの指差した『アルベドの死体』は、少しずつ塵と化して消滅していった。
「私の『世界』の一部なんですよねぇ」
声のした方に青年が顔を向けると、出口を塞ぐようにワカバが立っている。
「向田ワカバァ、お前なんで俺の死体なんかストックしてんだよ」
「ほら、アルベド先生色んなところから恨み買ってるじゃないですか。身代わりにできるかなと思いまして」
愛がわからぬとも
恋がわからぬとも
あなたに見惚れていたのは間違いではない
そう、きっと