「うん!」
ナツィと2人きりで”でーと“するの〜と金髪のコドモはナツィの方を見て笑う。
ナツィはうへぇ…とうなだれる。
それを見た周囲のコドモたちは笑った。
「いいじゃんきーちゃんと2人きりなんて!」
いいな〜と赤髪にキャップ帽のコドモ、露夏はにやにやする。
「私も素敵だと思うわ」
ねぇ?と長い青髪のコドモことピスケスは手を叩いてナツィと手を繋ぐジャンパースカート姿のコドモに目を向けた。
ナツィと手を繋ぐコドモことかすみは、そうだねと頷いた。
「お、お前ら…」
ナツィは呆れたように仲間たちの顔を見た。
「俺はコイツのことなんか好きでもなんでもないし」
「え〜そんなこと言わないでよ〜」
ナツィの言葉にきーちゃんことキヲンは口を尖らせる。
「ボクのこと好きなんでしょ〜」
なにかあった時は助けてくれるし〜とキヲンはナツィに擦り寄った。
しかしナツィはンな訳あるかとそっぽを向いた。
君との始まりは一目惚れで
付き合うのに時間は要らなかった
友達ほどお互いを知ってるわけじゃないけど
友達よりお互いを想い合っている自信があった
一生一緒にいようなんて
照れながら言い合った
…はずだった
「友達に戻りたい」
サヨナラの代わりは呆気なくて
涙の1つも間に合わなかった
君のいない右側で
夕焼けの風に冷えた手
戻れない時間に
人を想って初めて泣いた
恋人にも友達にもなれなかったけど
幸せだった、大好きだった
出会う前より胸を締め付けるものは増えたけど
出会えて良かった、優しくなれた