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微ラブコール・ウィンドウ

『好き』の2文字が 私には  あまりに強さが 過ぎるから

二百足らずの 軽口で  薄めて告げて 誤魔化すの

どうにも頬っぺの 紅くなる  恋愛度数 0.5

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空想少年要塞都市パッセリフォルムズ:擬命ランギヌイ その③

「えー……1位ぃ」
全てのレヴェリテルムがゴールし、ヴェロキタスがその順位を発表する。
「“ヴェロキタス”、タイムは2分59秒6。2位ぃ、“ヴェナトー”、タイムは3分1秒0」
「クソぉ……調子は悪くなかったのに……」
ヴェナトーが悔しそうに地団太を踏んだ。
「3位ぃ、“クルスス”、タイムは3分42秒1」
「無理だよ3000mは、僕の“クルスス”はスタミナ微妙なんだから」
「元気出せよクルスス。えー第4位ぃ、“エキドナ”。……タイム、20分フラット」
「鈍足!」
「ねぇこれ『駆け比べ』して良かったやつかなぁ⁉」
ヴェナトーとクルススの言葉に、エキドナは申し訳なさそうに身を縮こまらせる。
「いやぁ……おれの“エキドナ”、皆さんのレヴェリテルムと比べて足は遅くて……精々が早歩きくらいの速度しか……お恥ずかしい限りで」
「別に良いさ。スピード自慢なら有り余ってる。お前の“エキドナ”にも強みはあるんだろ?」
ヴェロキタスの問いかけに、エキドナは顔を上げた。
「はい! “エキドナ”はパワーとタフネスに関しちゃ、そうそう遅れは取りません!」
「へぇ……?」
立ち尽くしている“エキドナ”に、“ヴェロキタス”が突進を仕掛ける。その胴体に頭突きが直撃したものの、“エキドナ”はぴくりとも動かず受け止めた。
「何……だと……!? 10m級のアリエヌスだってひっくり返したことのある“ヴェロキタス”の突進を……!?」
「はい、パワーには自信があるので!」
「自信満々じゃねぇか。あぁ良いよ、お前はうちのパワー担当だ! レヴェリテルムが二足歩行なのも便利だ。地味にうちにいなかった重機役だ!」

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翠精造物帰路

すっかり日が暮れた商店街にて。
辺りが暗くなっても人で賑わう商店街を、1人の女と5人のコドモたちが駅に向かって歩いていた。
「でねー、そのトゥイーディアって子が助けてくれたんだよ〜」
金髪にカチューシャをつけたコドモ、キヲンがマスターである女…寧依と腕を組みながら話している。
その様子を後ろから青い長髪のコドモ、ピスケスと赤髪にキャップ帽のコドモ、露夏が見守りながら進んでおり、その数メートル後方で黒髪のコドモ、ナツィとジャンパースカート姿のコドモ、かすみが歩いていた。
「…なぁ」
「?」
ナツィに呼ばれて、かすみは隣を歩くナツィの方を向いてどうしたのナツィ、と尋ねる。
ナツィは前を向いたまま続ける。
「お前、“商会”の魔術師を止めるために“翼”を使ったんだって?」
ナツィにそう聞かれて、かすみはあ、うん…と気まずそうに頷く。
「きーちゃんを上から探してたら、露夏ちゃんが危ないと思って…」
それで咄嗟に、とかすみは苦笑いする。
ナツィはふぅんと返して沈黙した。
暫くの間、2人の間に静かな間が空いたが、ふとかすみがもしかして、と呟く。
「自分のこと心配してる⁇」
「⁈」
ナツィは驚いて立ち止まる。
「えっ、えっと…」
振り向きながら顔を赤らめるナツィに対し、かすみはなんとなくだよ、と笑いかける。
「ナツィは自分が滅多にしないことをすると心配するの、分かってるから」
かすみの言葉に、ナツィは顔を背けるように前を向く。
それを見てかすみはふふ、と微笑みナツィの手を取った。
「…大丈夫」
自分は自分の身を傷つけたりしないから、安心してとかすみはナツィの顔を覗き込む。
「…うん」
ナツィはかすみの方をちらと見て、その手を握り返した。

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告白

今日、好きですと、伝えた。

兎に角、精一杯伝えた。

答えはまだ貰えてないけれども

妙な安心感がある

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回復魔法のご利用は適切に!_11

シオンによって無理やり成長したつる植物がエリザベスを器用に掴む。
「ま、まぁ…」
シオンは人型を避けてエリザベスの方へ跳ぶ。つるを掴み、エリザベスを抱えてつるを使って滑り降りる。
「リサちゃん!よい、しょっ…ねぇ、もう1回だけ魔法撃てないかな?」
「あ、ありがとうございます…!まあ、一度くらいなら恐らく可能かと…」
「それじゃあ、あの人型」
シオンが指差したのは何体かいる人型のうちの一体。
「頭に当てられないかな、あの人型だけ頭一つ抜けて強いの。あれを振り切るの結構難しいというか…お願いできる?」
「はい。任せてくださいまし!」
エリザベスは自信ありげに笑って深呼吸する。腕を人型に向けて指を鳴らす。火花が散り、人型の頭部が爆発する。