「別に、お前のことなんて友達だと思ってないし」
「えっそうだった⁇」
「そうだよ」
ポカンとするキヲンに対し、ナツィはまたそっぽを向いた。
「…お前も、露夏やピスケスも、友達じゃないから」
だからお前に俺が家に帰らない理由なんて言う必要ない、とナツィは膝を抱える。
キヲンはなにも言えずに黙っていたが、やがて…じゃあ、と口を開いた。
「かすみは違うの⁇」
「えっ」
ナツィは驚いてキヲンの方を向くように寝返りをうつ。
「さっきの友達じゃない人たちの中に、かすみは入ってなかったよ?」
「うぐっ」
そう不思議がるキヲンの指摘に、ナツィは目を泳がせた。
「べ、別に、かすみは特別だしぃ…」
「かすみは、お友達⁇」
「い、いやぁ、その…」
しどろもどろになりながら話そうとするナツィだったが、ニコニコしながらナツィの顔を覗き込むキヲンの顔を見ていると、ますます言葉が出なくなる。
やがてナツィは、も、もう…と赤くなった顔を隠すように壁の方を向いた。
この気持ちを伝えられないのは
タブーだからじゃないんだろうな。
単純な
私の臆病な心。
自信のなさ。
嫌われるのが怖くて、
拒絶されるのが怖くて、
もう会えなくなるんだろうなって、
もう隣にはいられなくなるんだろうなって、
そう思うと動けない。
よかったね、私。
私、普通に恋愛してるよ?