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墓想造物茶会 Act 34

「ナツィがなにを抱えていても、自分は変な風に思わないから」
だから大丈夫、とかすみは座り込むナツィに目の高さを合わせるようにしゃがみ込む。
「…かすみ」
ナツィは少し驚いたような顔をした。
「あときーちゃんや露夏ちゃんもその“事情”ってものを聞きたいだろうし」
ね、とかすみは後方を見やる。
そこには食べかけのアイスバーを持ったキヲンと露夏が立っていた。
「お、お前ら…」
ナツィは一瞬嫌そうな顔をするが、一呼吸置いてから話し始めた。
「俺は今の保護者に引き取られる前、海外にいたんだ」
それで、ある屋敷にずっと閉じ込められてた、と続ける。
「閉じ込められてた?」
キヲンはそれを聞いて不思議がるが、ピスケスが実はね、と付け足した。
「コイツは“学会”にとって、ずっと所在不明の人工精霊だったのよ」
伝説的な魔術師が作り上げた最高傑作なのに、いつからか持ち主がわからなくなったせいで“学会”が血眼になって探していたの、とピスケスは優しく言う。
キヲンはへぇ、と頷き、露夏は、で、どうして表に出てきたんだ?と尋ねた。
ナツィは、それは…と目を逸らす。

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届かなくてもいい想いなんてないんだって
今になって気づくのはどうして

桜が咲くまでに会いたい人ができた