「少なくとも、俺はネロ達が心の底からヴァンピレスを倒したいなんて思ってないと思うんだが」
ミツルはそう言って、ベンチの座面の後方に手をつく。
わたしがそうなの?と聞くと、ミツルはいやいやと続けた。
「アイツらっていうか、俺達異能力者は”異能力は己の一部”という考え方だからな」
例え自分自身が手を直接下さなくても、そういう事に加担するのは本意じゃないと思うし、とミツルは呟く。
「でも『これはボク達が決めた事だ』って」
わたしはついそう言いかけるが、ミツルはまぁまぁと横に手を振った。
「例え本当にそうだとしても、それをやってしまったらアイツら後悔するかもしれないぜ?」
あと…とミツルは宙を見上げる。
「ヴァンピレスにそんな事をしたって、アイツはずっと孤独を抱えたままだと思うぞ」
「えっ」
ミツルの思わぬ発言に、わたしは驚いた。
「ヴァンピレスが、孤独…?」
「そりゃそうだろ、アイツ異能力者はおろか常人の友達もいないんだから」
ミツルはそう言って、上着の下のウィンドブレーカーのポケットから青い小箱を取り出す。
あなたの声はすごい
私の不安を吹き飛ばす
消えた灯火をあなたはそっと手をかざして
再び火を生み出した
その声は皆の標(しるべ)
光はそこにあった
「では、行ってまいります。」
玄関を出ると見慣れた馬車が停まっていました。
「おい!いつまで俺を待たせる気だ!」
ああ、始まりました。ウィリーは外面こそ良いものの、私に対してはとても傲慢な方なのです。
「申し訳ありません。」
「さっさと行くぞ!ちっ。どうしてこんな奴が優秀な俺の婚約者なんだ!」
馬車に乗る時もエスコートはなし。常識からかけ離れています。終始無言のまま貴族院に着くと、やはり私をおいてそのまま友人の方と歩いて行ってしまわれました。
「ごきげんよう、ティアラ。」
「ごきげんよう、アリーシャ。」
彼女は私の友達、アリーシャ・ラ・フォンテーヌ。同じ上級貴族ですが、アフネル家よりも一つ下の伯爵家、フォンテーヌ家の令嬢です。身分的には私の方が上ですが、身分関係無く仲良くしています。
「もしかして、ウィリー様と一緒に登校したの?」
「ええ。」
「羨ましいわ、、、。私にもウィリー様みたいな婚約者ができないかしら?」
ウィリーの話をしていたのが聞こえたのか、ウィリーがこちらに歩いてきました。
「やあ、フォンテーヌ嬢。ティアラがいつも世話になっているね。」
「とんでもありませんわ。それにしてもティアラが羨ましいです、、、。ウィリー様みたいな素敵な方が婚約者だなんて。」
ウィリーと婚約者なのが羨ましい?そんなの、絶対にありえませんわ。彼は婚約者を心の無い言葉で罵倒するような方ですのよ?
「おーい!行くぞウィリー!」
「呼ばれたから行くね。フォンテーヌ嬢、また後で!」
本当に外面だけはいいんですわね。
それに婚約者には挨拶なしって。
そういえば、昔はこんな感じの方ではなかったような、、、。
もしもあの頃に戻れるなら
ちゃんと伝えておくべきだったことを
口に出して知ってもらいたいな
あの窓から差す朝日が
そう後悔させるんだ
居場所なんてなくても
生きていけるような場所はあるんじゃない?
今の僕にはわからないけど
無責任すぎるけど
だからもうちょっとだけ
側に居てほしいんだ
過去に戻らなくて済むように
でもね、泣きたくなる日があるんだから
そのときは素直になりましょう。
もしもあの頃に戻れるなら
今のこの気持ちと愛を
ちゃんとわかってほしいな
あの雲の隙間の朝日が
そう教えてくれる
頼れるものが無くても
消えなきゃいいやって思う
今の僕にもわからないけど
報われない日々ばっかじゃない
つまらない毎日ばっかじゃない
誰しもがそう思えるわけじゃない
産み落とされたこの地に
何を遺していけるだろう
また夜が明ける
その時までに
お願いもうちょっとだけ
側に居てほしいんだ
もう悲しくならないでいいように
だからもうちょっとだけ
側に居てほしいんだ
今のこの時間を幸せと思えるように
手を振りたくない明日が来るはずだから
そのときは素直になりましょう。
広い。
全ては目に見えないけれど、
世界は広い。
愛でもっと溢れた世界を待ち望んでいる私は
ちっぽけででもちっぽけじゃないんだ。
ラッドウィンプスみたいにベイベー
前々世からこんにちは
なにもひとつも変わらずに
なのにひとつも残さずに
くりくり坊主のさくらんぼ
るるるのお耳にLが2個
わたしが私にインタヴュー
そしてみんながオーディエンス
夢の一つがさめたくらいで
恋の一つが去ったくらいで
落ちこむわたしは私です
のぞむところよ 男一代
ともだちみんなどこかへいった
俺のひとりじゃ 抱えきれない
俺のすべてをここに捨てたく
そしてみんながオーディエンス