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無銘造物再誕 Act 1

夜、人々が寝静まった頃。
とあるマンションの1ヶ所だけ明かりの点いた一室に、若い女が呆然と立っている。
彼女の目の前には、小柄でツノの生えた、ストリートファッションに身を包んだ金髪のコドモが立っていた。
「…」
女は何がなんだか分からない様子で黙り込んでいたが、不意に金髪のコドモが彼女に近付き抱きついた。
「⁈」
女は驚いて思わずコドモを突き飛ばそうとするが、コドモは満面の笑みで彼女の身に頬擦りする。
ちょ、ちょっとと女は抵抗し、バランスを崩してコドモ諸共後ろに倒れ込む。
そこでやっとコドモは擦り寄るのをやめ、女の顔を覗き込んだ。
「“マスター”」
女は目をぱちくりさせる。
「…何」
「“マスター”」
よく分からない言葉に女はポカンとして、コドモは不思議そうに尋ねた。
「キミは、ボクの“マスター”じゃないの⁇」
その言葉に女は少しの間黙っていたが、やがて顔を背けた。
「…別に、わたしはそういうのじゃないし」
女がそう答えると、コドモはそうなの?と首を傾げる。
女はうんと頷いた。