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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 15.オーベロン ⑮

あれから1週間後。
あの後、わたし達は”今日はもう解散にしよう”と話し合って、早めに解散した。
泣き止まないネロは耀平が家まで送っていく事になった。
…わたしはこの1週間、彼女の事が気がかりだった。
あの”オーベロン”と名乗った少女とネロの間に、かつて何があったかわたしは知らない。
しかし、ネロのあんな姿を見てしまっては、何だか彼女の事が心配になってしまった。
彼女は大丈夫だろうか、そう思いつつわたしはいつものようにショッピングモールで”彼ら”と合流した。
「…あれ、ネロは?」
普段通り彼らが溜まるショッピングモールの休憩スペースのイスに座る彼らの元にやって来たわたしは、ネロがいない事に気付きそう尋ねる。
「あーネロ?」
耀平はそう呟く。
「今日は来てないぞ」
え、どうかしたの?とわたしが聞くと、耀平は分からん、と答えた。
「そもそも音信不通だし」
「え」
思わぬ言葉にわたしは唖然とする。

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