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003〜重なるキセキ,9(く)る4(し)みを乗り越えて〜

七夕,それは人々が願いを込める日。
プロ野球では,定期的に逆転勝利の試合がある日として、インターネットの普及と共に勝った側には「七夕の奇跡」、負けた側には「七夕の悲劇」という言葉が定着した。
東京と広島,それぞれの舞台で奇跡は重なった。
まずは,広島。
広島カープは,かつて3連覇をしたものの世代交代の過渡期と,選手層の薄さから現在低迷中。
勢いに乗る東京ヤクルトスワローズの抑えのキハダから、外国人エースから逆転のサヨナラホームランを叩き込んだ。
そして,そんなチームを指揮する監督は…
奇しくも9年前のこの日,同じく東京ヤクルトスワローズの当時の抑えの小川投手から、舞台は東京の神宮球場で最終回の9回に逆転ホームランを打った新井貴浩内野手その人だ。
これが,東京と広島が時空を超えて繋いだカープの奇跡。
そして,もう一つの奇跡が東京ドームでも起きていた。
東京ドーム,主人公は巨人の知念選手と坂本選手の2人だ。
知念選手は,地元沖縄からプロ野球リーグと直接対戦できるチームで新規参入のオイシックス新潟を経て、育成契約,つまり背番号が必ず3桁になっていて、例えて言えば練習生としてレッスンを重ねて将来的に成長する枠の選手として選ばれた。
そして,七夕の前日に支配下,つまり正式なメンバーとして認められた。
与えられた背番号は94。
ところが,彼自身がデビューした本当のプロと呼ばれる一軍の舞台ではまだユニフォームの手配が間に合わずに育成時代からつけていた003で登場。
泥臭いヒットでチャンスを拡大して,代打でベテラン,坂本勇人内野手に出番が回る。
一打で同点,1発出れば逆転という場面で,観客席から登場曲『キセキ』の大合唱が始まる。
そして,ホームランにはならなかったが,一塁の知念選手までホームに生還して逆転。
対戦相手,阪神の高橋投手の連勝を止めて首位の座を守る活躍を見せた。
今年のプロ野球も,7月が折り返しの地点になる。
勝つのは,どこだろうか。