止まらぬ足にひきずられて、僕はどこへ向かうんだろう。 悲劇のヒロインを気取る心。 おもちゃのような四肢を携えて。 誰かとの思い出の架け橋を通り抜け 笑わない心と笑う顔。 正しさの変わる渦潮のような社会を 時間を売って過ごしている。 命を売って過ごしている、なんて。
だれかを幸せにしたくて。だれかに愛されたくて。あいつを蹴ってやりたくて。あの子を笑わせたくて。仮面の都市で、仮面のしたで泣く。 すみっこのない世界だな。
ひとりにして、という思いと だれにも甘えられない思いとを ぐちゃぐちゃに混ぜてしまった べつに寂しくなどなかった 足首の温が風に剥がされてゆくことだけが怖かった 帰路のなか わざと、足音を大きくした だれに訴えるわけでもなく ただこの不安を響かせたかった。
それは海が見えたから。それは肌寒くなってきたから。それは空が淡く、きいろの葉が舞っていたから。それは少し、少し、私が 変わってゆくから。 ありふれた景色のなか。 あふれだす心のなか。 移りかわる季節を知ったのよ、
空が青いから零れるくらい笑っていて、風が身を裂くからちょっぴりかなしくて、太陽があたたかいから君の手をひいてみる。 せつないくらいにゆらめく日々を、どうかきっと許してね、
ひとりにしてほしい帰り道。心にさされた針で、僕はなにを縫うのだろう。気分はまちまち。 (一人で決める時間は寂しい。崩れるのがこわい。でも、決めるのは自分なのだ。自信を持たねば。)
少しずつでいいのかな。 何も持ってない自分でも、大丈夫かな。 孤独を感じても、耐えられるかな。 隅っこに佇んでるだけの、それは小さな小さな塊です。 きっと確かに存在しています。
金木犀の香りがする瞼に忍び込んだすきま風が、なぜか今日はたまらなく痛くて、必死に追い出そうとしても出ていかないから、私は静かに目を閉じた。 その香りに酔いしれられるほど、私はまだ大人にはなりきれなかった。 口際に隠した最後の嘘は、あなたとわたしの最大の汚点。
「わからないところがあれば聞きなさい。」 なんて言われても まずは 「コミュ障の私が質問できるとお思いですか?」 と返したい
明日がどんなあしたか。 今日がどんなきょうだったか いつまでも、僕は泣くのかな くだらないじゃあないか。 これぽっちの、いらだち隠して、 笑ってやるよ。