ぜんぶ知ってたいね。
幼さを受け止めきれないから、僕は君が鼻をかむ理由も、はにかむ気持ちだって、察してやることにした。
ねえ、恋をしたことはあるかい。誰かの死を見つめたことはあるかい。何もない空を、一人で飛んでいったこと、夢に出てきそうな夜。
世界の全てを知っているさ。知らないことと知っていることの境目だって、くっきり。
幼さを受け止めきれないから、僕は世界が僕の目の前にあると信じた。
愛があることだって、未来の行く末だって、そうすれば信じることが出来そうで、ひとりごちた。
ねえ、ぜんぶ知ってたいね。そうすれば、怖くないから。目を開けたままでいれるから。