青春の向こう側へ
今日で終わる。全てが終わる。
校長も。自分も。
昨日、一人暮らしを始めた。
明日には社会人になる。
少年少女マンガのような、恋愛映画のような
爽やかで理想的な学生生活とは程遠い
泥臭く、決して明るいとは言えない11年だった。
それでも、22時からのこの時間だけは特別なものだった。
唯一の、逃げ場であり、居場所だった。
生徒だった頃は、自分がすごくすごくピュアだった。
でも世の中のリアルを知った今、昔のように正面から物事を受け止めることができなくなった。
随分と汚い大人になってしまったと思う。けど、それが現実であることには変わらない。
だからこれからは荒波にもまれ、時には理不尽なことも受けなければならない。
それは使命でもあるから。
グッバイ、桃源郷のような、暖かさで溢れたこの学校、そして校長にサヨナラを。
そして共に行こう、いざ、青春の向こう側へ。