うちの七不思議:きみのクラスメイト
「それでは、ペアになってください」
「自由に班を作ってください」
などと教員が言ったとき、あの子はやってくる。
まるで今までずっとその教室にいたかのように。
周りが班を組んでいくなかで焦る気持ち、喉元まで出かかった「仲間にいれて」と勇気を閉じこめている生徒の肩は、あの子によって ふいにたたかれる。
「一緒の班になろう?」
班活動が終わったあと、きみは自分が誰と班を組んでいたのか思い出せない。
班決めで争いが起きたことはないし、人数が奇数の学級でも、全員二人組になることができる。そんなことになるはずはないのに。
でも教員は生徒たちのことなんか見てないから、この七不思議のことを知らない。